脊椎動物の分類と進化
3稿 2012版
40年前「科学教育研究」に発表した授業書は当時の学問水準からくる誤りがあり10年ほど前に訂正版を作りましたがさらに訂正が必要なようです。生物学や地学ではかなり基本的な事でも研究により訂正される事があり、そこが生物・地学教材の苦しいところです。
もとの授業書は、ダーウィン段階の進化論を中学
1年生に教えるとともに、教科書の動物分類の部分をほとんど置換してしまうように作られていました。 ですから「釣り合い」「ニッチ(生態的地位)」「ニッチの争奪としての生存競争」の理論を扱い、「当時中1教科書で扱われた程度の分類」「脊椎動物の進化」を詰め込んでも第2分野(当時は45分×2)4-6月前半の授業で終わるようにになっていました。高等植物の進化と分類、棲み分け、群落遷移を入れて7月まで。
指導要領改定で動物は2年になったので、このままでは時間がかかりすぎるという問題がありますから、教科書置換のため入れた部分を抜きました。 「適応放散」が加わり、旧版よりわずかですが理論水準が高くなっています。
ダーウィンの主著「種の起源」の核心部分を教えとレベルが大変高くなり、理論を多数つめこむため苦しい授業になりやすいという問題がありますが、実際には毎回のように拍手から授業が始まったクラスさえあるという面白さのため、中1はもちろん、小学校6年対象でも授業は可能でした。
---2018注 つりあいの部分の教材作成は方法論が簡単でないので、「釣り合いから授業中騒動まで」をご覧下さい。マクロな科学に物理や化学の認識論を適用すると、混乱や不可知論が発生しやすいです。そこでは1つの現象に多数の要因が関係する(物理や化学では1つないし少数の要因が関係する)場合の唯物論解説を経済学者オスカー・ランゲの経済学解説とと同様の方法でしておきました。
教師の常識で考えて難しそうだ、よりやさしくしよう、として「到達するレベル・生徒の世界の広がりに比べて授業時間が多くなる」とい う修正をするのには賛成できません。 生徒の世界の広がりや定着率に大差がなければ、授業時数は極力きりつめるべきでしょう。
なぜなら
- 他に学ぶと面白く、生徒の思考範囲が大きく広がるという授業書は多数ある。
- 「指導要領内容の指導を強制され楽しい授業の時間確保が難しい」という厳しい職場は少なくない。
- 「指導要領準拠のベテラン授業と指導要領準拠テストをして同等以上」として父母全体、校長教頭、保守的教師の支持を得るようにすると
(生徒に支持される行事や規則が実現容易になる…そうすると行いも成績も良い生徒集団になり授業が楽で楽しくなる)、やはり時間的に厳しい。
完成度、適応性ともにBとします。 適応性…・試行授業の大部分は「教師から独立した生徒運動により非行やいじめが急速に減り3年では大抵ゼロ(教師は非行・校内暴力・いじめ…に対する直接指導を極力放棄し、大多数生徒が勝手に運動をやりたくなるような諸条件を整備という指導)」というクラス、学年で行なわれています。 公立中学ですが理科室授業での生徒座席が自由、7割の生徒が指導要領準拠テストで70点以上という状態で試行授業をしている。通常のクラス、学年とは授業態度が異なりますから、通常のクラス・学年での適応性を記しているのです。
人間はすばらしい
一番速く空を飛ぶ動物は…鷹タカではありません。 人間です。 飛行機に乗れば一番速い。
一番速く陸を走る動物はチーターではない。 人間です。 自動車に乗れば一番速い。
一番速く泳ぐ動物はイルカやマグロでなく人間です。 船に乗れば一番速い。
一番強い動物はゾウやライオン、トラ、クマなどでなく人間です。 鉄砲を持てば一番強い。
人間は何が優れているからほかの動物に勝つのかわかりますね。 智恵です。 しかし昔恐竜がいたころ、人間はいませんでした。 人間という素晴らしい動物はいつごろできたのでしょうか。 人間の先祖について勉強しましょう。
チンパンジーの智恵
人間は知恵がありシッポがない。 人間に似てシッポがなく、知恵のある動物を知っていますか
?
その中で人間に一番似た動物は何だと学者は言っていると思いますか?
学者の研究では、人間に一番似ているのがチンパンジーとピグミーチンパンジー(ボノボ)です。 チンパンジーには2種類ある。 次に似ているのはゴリラとオランウータンだという事です。 写真か絵をみましょう。
絵か写真・・・入手容易
チンパンジーやピグミーチンパンジーの智恵、つまり頭の良さについて知っている人がいますか?
学者はチンパンジーの智恵について、いろいろな研究をしました。
天井から下がったバナナが飛び上がっても取れないとき、チンパンジーは台を運びその上に乗ってバナナを取る事ができます。 また机の下の隅にあって手足を伸ばしても取れないときは、人間と同じく棒を使って取ります。
犬や猫に台や棒を使う智恵がありますか?
大きなガラスのついたての向こうにエサを置いて、鶏ニワトリと犬とチンパンジーの智恵を比べた研究もあります。 鶏はまっすぐエサのほうに行き、バタバタとガラスの前で暴れているだけです。 犬はついたての前にいってウロウロしてから、ついたてをまわってエサの場所に行く。 ところがチンパンジーはすぐついたてをまわって最短距離でエサのところに行ってしまいます。 人間と同じくガラスが透明だという事がすぐわかるのです。
このあたりの実験の絵は初めて実験をしたケーラーの「類人猿の知恵」にあるが、絵はなくとも授業可能。
チンパンジーがヒョウとどうして戦うかを研究した学者もいます。 ライオンは木登りがうまくないからチンパンジーは地面に降りたときだけ用心すればよいが、ヒョウは木登りが上手ですから大敵です。 ヒョウはライオンやトラ、猫の仲間ですから他の動物を襲う。 体の大きいゴリラならヒョウをなぐりつければヒョウはのびてしまうでしょうが、人間と同じ位の大きさのチンパンジーはヒョウに勝てそうもない。どうやって自分を守るかが問題です。
それを調べるため学者はリモコンで動く電気仕掛けのヒョウを作りました。 機械のまわりに本物のヒョウの皮をかぶせた、ラジコンのヒョウです。 これをチンパンジーのいる森に持っていって、人間は緑色のかくれテントから観察するという実験です。
チンパンジーはニセのヒョウを見つけると石を拾って投げつけました。 石があたってもヒョウは逃げないで近づいてきます。 また石をなげつけました。 それでもヒョウは近づいてきます。 すぐ近くまできたヒョウを今度は棒でなぐりました。 それでも逃げない。 それでヒョウがニセモノである事がわかったらしく、チンパンジーはニセのヒョウに乗って遊んでしまったそうです。 この実験でチンパンジーは原始時代の人間と同じく石や棒を使って戦う事が証明されました。
くるみのような硬い実を食べるときは台の石の上に置き、別の石でたたいて割るという智恵もあります。
こんなに頭の良いチンパンジーですから、人間の言葉がわかるのではないでしょうか。
チンパンジーに人間の言葉を教える実験は最初失敗つづきでした。 チンパンジーに簡単な会話を教えたが、チンパンジーは喋ることができなかったのです。お医者さんが調べてみるとチンパンジーはのどが不器用で喋るのは難しい。
人間でも言葉の喋れない人がいます。 その人たちは喋るかわりに何を使うか知っていますか?
チンパンジーの子供に手話を教える実験はアメリカで成功し、世界最初に人間と会話のできるチンパンジーが出現しました。 「もっと」「あまい」「のみもの」「下さい」何のことかわかりますか? チンパンジーの子供もジュースが大好きなのです。 「もっと」「くすぐる」「下さい」 何のことかわかりますか?
チンパンジーの子供も人間の子供と同じくふざけるのが大好きなのです。
チンパンジーは手も不器用で字を書く事は難しい。 しかしバケツに入れたプラスチックの単語板を並べた文章を読んだり、単語板を並べて文章を作る事ならできる事がわかりました。
字や数字をコンピューターのキーボードを使って教える事にも成功しました。 日本での実験では9までの数を数え、その大小もわかるチンパンジーが出現しました。
ピグミーチンパンジーに英語を聞かせる実験も成功し、ピグミーチンパンジーは簡単な英語なら聞いてわかる事が証明されました。 日本の中学生が英語で話しかけるとピグミーチンパンジーがわかる、というビデオがあればみせてもらいましょう。
人間と話し合う事ができるようになったチンパンジーやピグミーチンパンジーは他人をバカにしたり、叱られて悲しそうな顔をするなど人間そっくりです。 チンパンジーに数字や英字を教えた日本の学者である松沢先生はチンパンジーを1匹、2匹と数えるのでなく、一人、二人と数えています。 研究すればするほど人間に似ていることがわかり、チンパンジーが人間のように見えてくるそうです。 ゴリラやオランウータンに手話を教える実験も成功し、ゴリラやオランウータンも人間の言葉がある程度わかるという智恵を持っている事が証明されました。
原人
これほどチンパンジー(やゴリラなど)は頭が良い動物であり、全体のからだつきも、シッポがないという点も人間に似ています。
ダーウィンというイギリスの学者は1871年に、人間の先祖とチンパンジーやゴリラの先祖は同じ動物に違いないと本に書き、人間サマとサルが親類なんてとんでもないと反対する人たちと科学者との論争がはじまり、イギリス中が大騒ぎしたそうです。
化石を知っていますか。 大昔の動物や植物が石になったり、石に形を残したりしたものです。 何か化石があれば見せてもらって下さい。
科学者たちは考えました。 人間とチンパンジー、ゴリラ、オランウータンなどが親戚なら、大昔の人間は今の人間より頭が悪く、顔やからだつきもチンパンジーやゴリラ、オランウータンなどに似た動物だったはずだ。 科学者たちはそういう古い人間の化石探しをはじめ、最初に見つかったのがジャワ原人です。
絵が必要ですから、あり合わせの絵を使ってください。
絵をみて下さい。 今の人間よりずっとサルに似ています。 次に見つかったのが北京原人です。 最初はジャワ原人にピテカントロプス、北京原人にはシナントロプスという名がつけられましたが、世界各地で似た動物の化石が見つかり、みなよく似ているというので原人(ホモ・エレクトス)という名に今では統一されました。 ホモとはもともと人間という意味であり、エレクトスというのは立っている(つまり2本足で歩く)という意味です。 今の人間は新人、ホモ・サピエンスという。サピエンスは賢いという意味です。
180万年-30万年前に埋まったところを掘ると今の人間の化石はなく、そういう動物の化石しかない。 その動物の化石と一緒に大量の灰が見つかったのでその動物は火を使っていたと考えられます。 また石器も発見されました。 火を使うことができる、頭の良い動物はほかにいますか?
犬、猫・・・サルでもダメ・・・やはり人間サマでないと、火を使う知恵がないようです。
その時代にはこういう人間しかいなかったのですから、この原人を私たちのご先祖様と考えるしかない。 原人は今の人間よりずっと頭が悪いが、火や石器を使う動物でそのころは一番頭の良い動物でした。
旧人と新人
ネアンデルタール人は40万年前から3万5000年前までいた古い人間で旧人ともいいます。 旧人は石器や火を使うだけでなく、死者に花をささげました。 化石と一緒に大量の花粉が見つかりましたが、花粉はみな美しい花の花粉だったのです。
犬や猫に花の美しさがわかると思いますか?
頭が良くないと花の美しさはわからないのです。
絵が入手できたら使って下さい。
現代の人間を学者は新人と言っています。 新人は絵を描くことができ、石器もどんどん複雑になり、やがて鉄や銅を発見するという頭の良い人間です。 ネアンデルタール人ば絵を描かず、簡単な石器しか作れませんでした。 今と同じ体格の人間の化石はアフリカで10万年前のものが見つかっています。
最近まで原人から旧人になり、旧人から新人つまり今の人間ができたと考える学者が多かったのですが、現在は原人から新人と旧人の共通の先祖ができたと考えられています。 新人と旧人は兄弟のようなものだということになる。 寒い地方に合うがっしりした体格のネアンデルタール人
(旧人)がスマートな体格(熱が逃げやすいので暑い気候に適している)の新人より先にヨーロッパに進出したのです。
では旧人と新人は全く別ものかというと、我々の中には旧人の遺伝子が含まれている・・・つまりいくらか雑種になっているそうです。
新人が最初できたのはアフリカですから私たちの先祖の皮膚は黒かったはずです。 アフリカより日当たりの悪い地方に引っ越した人々は皮膚の色が薄くなり、東洋人(黄色人種、モンゴル人種)や西洋人(白色人種、コーカサス人種)になりました。 東洋人の一部はシベリアからアメリカ大陸にわたってインディアンになりました。
アフリカの人々がDNAの変異に富むとい事実はアフリカにいた新人のうち、ごく一部の人々(人数が少ないから変異の幅が小さい)がアフリカを出て世界中に広がった事を示すとされています。一番背の高い人種も一番背の低い人種もアフリカ人種に属するし、西アフリカには瞬発力にすぐれた人々(遺伝的に速筋…魚でいうと白身の筋肉の割合が高い)がいて、短距離走や跳躍に向いています。
また旧人や原人が今いないのはなぜか、という質問がでたら「もうすぐ生存競争という理論を勉強するので、それがわかればいない理由もわかる」と答えて下さい。
原人より前の先祖
1924年アフリカ東部で原人よりもっと古く、チンパンジーにもっと似た動物の化石が見つかり、猿人エンジンという名がつけられました。 サルに似たヒトという意味です。 この絵のような猿人は400万年前--150万年前に生きていて、簡単な石器を作って使いました。 絵を見て下さい。なんだ、サルそっくりだ・・・などと馬鹿にしてはいけません。 拝んでください。 私たちのご先祖様です。
この授業のレベル、理論段階では、猿人の分類が厄介なだけで生徒の世界をひろげるわけでないから省略。アウストラロピテクスより古い猿人はもっと前から。 学名はホモ・アウストラロピテクス・アフリカヌスかホモ・アフリカヌス…どちらにするかは考え方による。
人間とチンパンジーがわかれる
学者はチンパンジーと人間が分かれたのが500--700万年位前だろうと考えています。
アフリカの森に共通の先祖である尾なしザルがいて、木登りが上手であり、二本足で歩く事も下手ですができました。
その森林の中に高い山々ができて、その動物は東と西に分けられました。東のほうは雨が少なくなり、森林から草原になり、その草原を二本足で歩くようになったのが猿人です。 枝をつかむ必要がなくなった手は、石器の加工などの細かい作業ができるよう器用になりました。 その細かく動く精密な手を動かすためのコンピューターである脳みそが大きくなり、頭が良くなった…その動物は私たち人間になったのです。 西の森に暮らしていた仲間はさらに木登りがうまくなり、チンパンジーやピグミーチンパンジーになったということです。
その前にゴリラの先祖、もう少し前にオランウータンの先祖と人間の先祖
(チンパンジーの先祖でもある)が分かれました。ですからチンパンジーから見ると人間のほうがゴリラやオランウータンより近い親戚です。
そこで最新の学名(科学者の使う世界共通の名)は今の人間がホモ・サピエンス、原人はホモ・エレクトスですが、チンパンジーはホモ・トログロディテス、ピグミーチンパンジーはホモ・パニスクスです。 ネアンデルタール人はホモ・ネアンデルターレンシス。
犬や猫の先祖
人間がいなければ、人間に飼われている犬や猫もいなかったはずです。 犬や猫は昔いなくて、犬の先祖の動物や猫の先祖の動物が森や野原にいました。
犬の先祖は何の仲間だったと思いますか? 犬はふだんワンワンとほえますが、夜中にほえるときは?
猫の先祖は何の仲間だったと思いますか? 猫は木登りがうまく、高いところに登るのが好きです。 ぜいたくに育てれば別ですが、猫はネズミ、スズメ、ヘビを捕まえるのもうまい。野山にいて木登りがうまく、ネズミやスズメ、ヘビを捕まえて食べるネコに似た動物は?
犬の先祖はオオカミの仲間で家畜になったのは何万年も前です。猫が家畜になったのは犬よりずっと新しくて、
5000年前エジプト人がねずみよけのため飼うようになった山猫が猫の先祖だということがわかっています。 猫は先祖が暖かい地方の動物だったので、今でも寒さが苦手なのです。犬の先祖のオオカミは寒い中国西部にいたという考えが有力です。 ですからイヌは寒さに強く暑さに弱いと考えられています。
オオカミは100年前まで日本にもいましたし、山猫は今でも対馬ツシマと西表島イリオモテジマにいます。
2018注 この部分は20世紀末の授業であり、新しい研究がでたそうなので、書き換えが必要です。
次のようにすれば良いと思います。
犬の先祖はオオカミの仲間で家畜になったのは何万年も前です。 猫が家畜になったのは古代エジプト人がねずみよけのためにリビアヤマネコを飼ったのが最初と考えられてきましたが、最近の研究では西アジアで最初に家畜
になったようです。 イヌの先祖のオオカミは現在いるオオカミと似ているが少し違う種類だという考えが有力です。 オオカミの仲間は100年あまり前まで日本にもいましたし、ヤマネコの仲間は今の日本にもいます。 対馬と西表島です。
哺乳類
人間の先祖は600万年位まえだとチンパンジーと共通の尾なしザルになってしまいます。 そのまた先祖、2000万年前の先祖は何かというと、シッポのあるサルだったと考えられています。 そのくらい昔に埋まったところからシッポのないサルの化石は見つからないから、シッポのある普通のサルが先祖に違いない。
日本にいるサルも普通の動物より頭が良いのですが、その事を知っている人がいますか?
世界中有名になったのは、イモを洗って食べることを発見したニホンザルの話です。 一匹がはじめたら、他のサルもまねをして洗うようになりました。
犬や猫は食べ物を洗って食べるという智恵がありますか?
ニホンザルはサルの仲間の中では新しいサルです。
ではその前は…というと、アフリカのマダガスカル島には昔の古いサルの仲間が生き残っています。 7000万年前の人間の先祖はこのワオキツネザルに似ていたと学者は考えています。
今の普通のサルにも似ていますが他に何かに似ていませんか?
絵か写真が必要です。 授業ではアテンボロー「地球の生き物たち」早川書房を使いました。以下この本を「ア」と省略します。有名な科学ジャーナリストの書いた本なので読みやすく、多数の図書館においてあると思われます。 生物分類・進化の説明に重要だが普通の啓蒙書にはない写真が多いので、図書館で見つけて下さい。 コピーを入れますがバイト数を減らした画質なのでできるだけもとの本を使ってください。
いろいろな動物に似ています。 古くなればなるほどいろいろなケモノの先祖は似てきます。 2億年近くまえには、全部のケモノ、共通の先祖がいたと考えられています。 つまり犬や猫も、ウシやネズミも私たちの遠い、遠い親戚だというわけです。 これらの動物は
1 乳で子供を育てる
2 たいてい毛が生えている
3 たいてい4本足(人間では手と足あわせて4本)
という動物なので哺乳類ホニュウルイといいます。 哺は口に入れるという意味ですから、乳を飲む動物の仲間という意味です。ケモノともいいますが、ケモノとは毛の生えているものという意味です。
クジラは赤ちゃんに乳を飲ませるので哺乳類のようですが、クジラには足がなくて魚のようにも見えます。 しかし生まれる前、お母さんのおなかにいるクジラの赤ちゃんを学者が調べると足がありました。 そして化石を調べるとクジラの先祖はカバに似た動物で、泳ぎがうまいが4本足で歩く事もできた事がわかりました。 そのうち水中だけで暮らすようになった仲間は、足がなくなってクジラ・イルカに変わったのです。 ですから学者はクジラやイルカも哺乳類、つまりケモノの仲間に数えています。 こうもりは空を飛びますが哺乳類です。
哺乳類はたいてい頭が良く、サーカスに出てくるクマ、ライオン、アシカ、イルカなどは1ぴきで多数の芸を覚えます。 鳥、魚などは1ぴきが1つの芸しかおぼえないそうです。 さっき犬のほうが鶏ニワトリより頭が良いとしう実験の話がでてきましたね。
2004に出た「日経サイエンス」地球を支配したキョウリュウと巨大生物たち、に鯨がカバの仲間から進化した過程が絵入りで詳しく書かれています。 絵は授業で出してもよいと思います。最近でたジンマー「進化」岩波書店にも出ています。また後記の川崎氏の本にもあります。
オーストラリアにいる哺乳類
オーストラリアの動物で知っているのは?
カンガルーとコアラを知っている人は多い。 この2つは普通の哺乳類と違うところがありますがどこが違うか知っていますか?
コアラもカンガルーと同じくお母さんのおなかに袋があり、その中で赤ちゃんを育てます。
オーストラリアにはフクロネコ、フクロリス、フクロウサギ、フクロギツネ、フクロモグラ、フクロモモンガ、タスマニアンデビルなどがいて、これらはみな母親の袋で赤ちゃんを育てます。 このようなケモノを有袋類ユウタイルイ、フクロのあるケモノのナカマといって普通のケモノである有胎盤類ユウタイバンルイと区別します。 有袋類も共通の先祖を持っています。
哺乳類
1. 有胎盤類 ヒト、クジラ、ネコ、オオカミ、ウシ…
2. 有袋類 コアラ、フクロネコ、フクロオオカミ、カンガルー…
有胎盤類ユウタイバンルイというのはお母さんの体の中に赤ちゃんに栄養を与える胎盤というものがあるからです。
分類用語は学者によって違い混乱のおそれがあるので、一番混乱が少ないと思われる用語を採用しました。
カンガルーの赤ちゃんが生まれたときの大きさはどの位か知っていますか?
2-3センチです。 写真のとおりひどい未熟児ですから、それを育てる袋が必要なのです。 有袋類はみな小さい未熟児を生み、袋で育てます。
写真は「ア」。
有胎盤類は母親の体の中の赤ちゃんに栄養を与える胎盤というものがあるので、赤ちゃん大きく育ってら、大きな赤ちゃんが生まれます。 人間の赤ちゃんは生まれてから歩くまでに何ヶ月もかかりますが、たいていの有胎盤類の子供は1週間くらいで歩けます。 ウシやシカの赤ちゃんは生まれてすぐ歩けます。
卵を産むケモノを知っていますか?
オーストラリアにいるカモノハシやハリモグラは、卵を産みその卵からかえった赤ちゃんを乳で育てます。 4本足で毛があります。 これらを単孔類タンコウルイといいます。
写真か絵を使います。 「ァ」にある。
つまり哺乳類は大きくわけると3種類で
1. 有胎盤類 ヒト、クジラ、ネコ、オオカミ、ウシ…
2. 有袋類 コアラ、フクロネコ、フクロオオカミ、カンガルー…
3. 単孔類 カモノハシ、ハリモグラ
となります。 単は1つ、孔は穴のことですから、1つの穴の仲間という意味です。 1つの穴ってわかりますか。 あんまりキレイな名前ではありません。
トイレを考えると人間には2つ穴がありますが、犬や猫やカンガルーもやはり2つの穴です。 ところがカモノハシは大小のでる穴が同じで1つしかないから、そういう名がついたのです。
ニワトリはいくつ穴があるか知っていますか? 1つです。
卵はその1つの穴から出ると思いますか?
卵もその1つの穴から出てきます。ですからタマゴにはフンがついている事があります。お店の卵は洗ってあるのです。
穴が1つしかないのに赤ちゃんが生まれたらどうなりますか?
カモノハシの写真か絵はどの学校図書室にもあると思います。
卵のカラの内側はキレイですから、卵で生まれるならだいじょうぶです。
動物で穴が2つあるのは哺乳類だけであり、正確に言うとその中の有胎盤類と有袋類だけが2つ穴です。 鳥もトカゲもカエルも魚も1つの穴です。
釣り合いと生存競争
オーストラリアにはもともとフクロオオカミという動物がいて、弱いケモノを捕まえて食べていました。 フクロオオカミはオオカミ位の大きさで運動能力も強さも同じ位です。 ところが人間がオーストラリアに入ってくると、フクロオオカミは滅びてしまいました。 今ではディンゴという犬から小型オオカミにもどった動物が弱いケモノを捕まえて食べています。 ところがオーストラリアの近くにあるタスマニア島では人間が入ってきてもフクロオオカミはほろびませんでした。
ディンゴの写真があれば使います。犬そっくりでどこも違っていない。
タスマニア島のフクロオオカミは白人がきてからほろびました。 白人の飼っている羊を襲うので、フクロオオカミを鉄砲の力で退治したのです。
問題 オーストラリアのフクロオオカミは人間が入ってくると、ほろびてしまいました。 しかしタスマニア島ではほろびませんでした。
ア. オーストラリア先住民は弓矢をもっていたが、タスマニア先住民は弓矢を持っていなかった。
イ. オーストラリア先住民は犬をつれてきたが、タスマニア先住民は犬を飼っていなかった。
どちらが正しいと思いますか?
オーストラリア先住民も弓矢を持っていませんでした。 彼らの使う飛び道具はブーメランだけでした。 ブーメランで鳥を捕まえます。 弓矢の発明はかなり新しく、オーストラリア先住民やタスマニア先住民がオーストラリア大陸にきた頃はまだ発明されていなかったのです。 犬が家畜になったのは、人々がオーストラリアに渡るころで、少し先に移住したタスマニア先住民は犬を飼っていなかったと考えられています。
ですから犬がフクロオオカミをほろぼしたと考えられます。でも犬が変わった小型のオオカミが強いフクロオオカミをほろぼすというのは不思議な気がします。
ダーウィンという学者(人間の先祖がサルだという本を書いた科学者)の発見した理論を勉強すると強いフクロオオカミが負ける理由がわかりますから、その理論をこれから勉強しましょう。
問題 強いフクロオオカミがほろびて、犬が狼になったら
1. 弱いケモノの数はうんとへった。
2. 弱いケモノの数はあまりかわらなかった。
のどちらが正しいでしょうか。
フクロオオカミ以外の動物の数はあまりかわりませんでした。 どうしてでしょうか。
オオカミやフクロオオカミが弱いケモノを食べてその数が減ったら、オオカミやフクロオオカミはどうなるでしょうか。 エサが足りなくて動けなくなり死んでしまいます。 そうするとオオカミやフクロオオカミの数が減りますから、弱いケモノの数はどうなるでしょうか。 子供を生んで増える。
弱いケモノの数が増えると、オオカミやフクロオオカミのエサが増えるので、オオカミやフクロオオカミの数は増える。そうすると弱いケモノの数が減る…
これを繰り返すので、オオカミやフクロオオカミがいても弱いケモノの数はそれほど減らないのです。 これを「釣り合い」といいます。
「釣り合い」の練習
ではウサギとキツネで考えてみましょう。「 」の中に「増える」か「減る」と書いてください。
ウサギが減る → キツネが「 」 → ウサギが「 」→ キツネが 「 」 → …・
ではタカと小鳥で考えてみましょう。
タカが増える → 小鳥が「 」 → タカが「 」→ 小鳥が「 」 →…
だから、強いケモノがいても弱いケモノが全滅せず、釣り合いになるのが普通であり、オーストラリアの弱いケモノは生き残ったのです。
生存競争
ところが、シカのいる草原に人間が羊を放し、犬が羊を守るとしたらシカの数どうなるでしょうか。 草原にいるシカの数は「ふえる、へる、かわらない」
シカの食べる草を羊が食べてしまいますから、多数のシカが飢え死にして数がへるはずですね。 全滅するかもしれません。
商売敵ショウバイガタキというのがあります。 そば屋さんにとって、別のそば屋さんが近くにできれば大変だというのはわかりますね。 花屋さんは近くに花屋さんができると大変です。
動物にとって、同じところに住み同じものを食べる動物は商売敵であり、どっちが生き残るかという大変な相手なのです。
フクロモグラとモグラで考えましょう。
草原に
100ぴきのフクロモグラがすんでいました。 子供を生めば数が増えますが、子供が大人になればやはり100ぴきです。 どうしてだかわかりますね。虫やミミズなどのエサが100ぴき分しかないから、あとは飢え死にしてしまいます。ですから何年たっても100ぴきです。
そこにモグラが100ぴき引っ越してきたとします。 すると来た日は合計200ひきですが、しばらくすると何匹でしょう? 100ぴきですね。 エサが100匹分しかないから、合計で100匹です。
フクロモグラとモグラのからだつきはそっくりですから、両方とも半分の50匹くらいが生き残るでしょう。
ところが子供を生んで増えるときは話が違います。 フクロモグラは未熟児を生んで袋でそだてますが、モグラは母親の体のなかで子供を育て、子供が大きくなってから生みます。 子供の安全の問題ではモグラのほうが上です。
ですから子供が大人になった時はモグラの子供のほうが多く生き残るでしょう。
50対50でなく、モグラのほうが多くなるはずです。
そしてまた子供を生んで育てると、またモグラの子供のほうが多く生き残りますからモグラの数は「ふえる、へる」フクロモグラの数は「ふえる、へる」 これを何回も繰り返すとどうなるでしょうか?
フクロモグラは全滅し、モグラだけになってしまう。 これを「フクロモグラとモグラの生存競争にモグラが勝った」といいます。
フクロモグラとモグラの生存競争で、どちらが喧嘩で勝つかというのは関係がありますか? ありませんね。
フクロオオカミは有袋類であり未熟児を生むが、オオカミは有胎盤類で大きな子を生みます。 犬からもどった小型のオオカミがフクロオオカミに勝った理由がわかりますね。 喧嘩したらどちらが強いかという事は勝ち負けにはあまり関係がないのです。 わからなかった人は友達に手伝ってもらい、次の文章を完成させましょう。
大草原に100ぴきフクロオオカミがすんでいたとすれば、エサになる弱いケモノがフクロオオカミ「 」ひきのエサの分しななかったという事です。
そこにオオカミが入ってくると、オオカミとフクロオオカミをあわせた数が「 」ひきになります。 エサはそれだけしかないからです。
子供を生むとフクロオオカミは小さい未熟児を生み、オオカミは大きくなるまで母親の体の中で育ってから生まれます。 ですから子供が親になったとき、フクロオオカミよりオオカミの数が「多く、少なく」なります。 それを繰り返すと、「フクロオオカミ、オオカミ」は全滅し、「フクロオオカミ、オオカミ」だけになります。
最近オーストラリアでネコが野生化して山猫になってしまいキツネも野生化したので、フクロネコが滅びそうになっています。 フクロネコは主に木の上にいて、虫、小型のケモノ、鳥などを捕まえて食べる動物です。
学者の研究では有袋類は有胎盤類より脳みその入る体積が少なく、頭がごくわずかですが有胎盤類より悪いのも生存競争に負ける原因の1つという可能性がある。 そういうわけで、海のために有胎盤類が入れなかったオーストラリア以外では、大多数の有袋類が生存競争に負けて絶滅(ゼツメツある生物が全滅していなくなる事)してしまいました。 アジアやヨーロッパでは全部の有袋類が絶滅し、アメリカ大陸でわずかの種類が生き残っています。 南アメリカは長いこと北アメリカと離れていて、そこでは有袋類が栄え、トラに似た有袋類もいましたが、3000万年前に南北アメリカがつながると、トラの仲間が北アメリカから入りましたから、フクロのあるトラは滅びてしまいました。
ニュージーランドではもともと哺乳類がいなくて、飛べない鳥が多数いました。 ニュージーランドに移住したイギリス人たちがふるさとの動物がほしいと、シカなど哺乳類を多数放したので飛べない鳥たちが生存競争に負け、ほろびそうになっています。
アメリカではマスのいた湖にコイを逃がした悪人がいて、もとからいたマスが釣れなくなり問題になった事があります。 マスとコイがエサを争うという競争があったと考えられています。 外国の動物を野山や川に放すと、もとからいた動物と生存競争がはじまり、もとからいた動物がほろびてしまう事があります。
コイはもともと中国の魚でアメリカにはいませんでした。
では生存競争という言葉を覚えましょう。
「生存競争…同じエサや同じ棲み場所を争う事。たいていは負けたほうが滅ぶ」
お話
最近はシカが増えて農作物が食べられ、農家の人たちが困っています。 シカの多さで特に有名なのは日光市で冬になると町の中にシカが出てきます。 日光の山々では1メートル位あった笹やぶが芝生に近くなり、材木をとる目的の大きな木が枯れてしまう事も少なくない。木の皮がほとんど食べられた木は生きられません。 またシラネアオイなど美しい高山植物はほとんど全滅。 尾瀬や南アルプスでもシカが高山植物を荒らしはじめ世界で尾瀬にしかない植物の全滅が心配されています。 全国でシカの被害は増えている。
学者はその理由を次のように説明しています。 日本では明治時代にオオカミを人間が撃ち殺してしまったのでオオカミとシカとの「つりあい」がなくなった。 しかし冬の雪のためシカが多く死んでしまうのでシカの数は最近まであまり増えなかった。 シカは脚が細いので雪の中では脚がもぐってしまいやすく、シカは雪が多いとエサを食べに歩く事ができず死んでしまう。 ところが地球温暖化で、冬の雪が少なくなり冬に死ぬシカが少なくなったからシカは増える一方だというのです。
アメリカではシカを鉄砲で撃って毎年シカの数が同じになるようにし、鉄砲で撃つのが難しい地方では昔全部撃ち殺したはずのオオカミをまだ生き残っている地方から運び山に放してシカの数が毎年同じになるようにしています。 日本でも多数のシカを鉄砲で撃って減らす地方があり、オオカミ輸入を考えている地方もあるそうです。 中国の西北部には、昔日本にいたオオカミと似た小型のオオカミがいるので、それを輸入したらどうかというのです。
フクロオオカミも日本のオオカミと同じく最近滅びました。人間が撃ち殺してしまったのです。
鳥の先祖
教科書にある鳥のガイコツの絵を見て、次の表に適当な言葉を入れましょう。
答
ツバサは首の少し下から出ている事に注意しましょう。
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ヒト
て |
あし
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ネズミ |
まえあし |
あとあし |
鳥 |
つばさ |
あし |
本来の日本語はこうなのですが、最近はアトアシという言葉が珍しくなり、学者でさえウシロアシという言葉を使うほうが普通なのでウシロアシでも良いと思います。
人間が鳥の真似をするとき、手を翼のかわりに動かしますがそれでいい事になります。
鳥のハネというと翼ツバサか羽毛かわからない時があるので、バタバタ動かすほうはツバサというようにします。
ケモノには毛が生えていますが鳥のからだに生えているのは
?
羽毛は軽くて暖かく、最高級のフトンは羽毛の入ったふとんです。
普通の鳥の足には羽毛がありません。 ウロコが生えています。ニワトリがいたら足を観察してみましょう。
今の世界に口に歯のある鳥はいると思いますか
?
今の世界にツバサに指と爪のある鳥はいると思いますか?
現在、口に歯のある鳥はいませんが、ツバサに指と爪のある鳥はいます。 南米にいるツメバケイという鳥は、子供のときツバサに指と爪があり、ヒナは4本足で歩きます。
今でもこういう鳥がいるのですから、昔の鳥はツバサに指と爪があったのではないでしょうか。
「ア」にホアジンのヒナの翼にある指と爪の写真あり。 最近はホアジンについてのビデオも入手できるようです。
今から1億5000年前に埋まったところから、世界最古の鳥の化石が見つかっています。 羽毛におおわれ、ツバサがあるから鳥ですが、その鳥のツバサには指と爪があり、口には歯がありました。 始祖鳥シソチョウといいます。 始めの鳥で鳥の先祖だという意味です。
鳥の化石を調べると古い鳥には歯やツバサの指があったが、ない鳥がふえていった事がわかります。
始祖鳥は骨が今の鳥ほど軽くできていないのであまり飛ぶのが上手でなかったと考えられています。
始祖鳥のそのまた先祖はどんな動物だったか、想像してみて下さい。
ヒント…始祖鳥の先祖はもっと飛ぶのが下手で、そのまた先祖は飛べなかったはず… また鳥の足にはウロコがあるが日本の高い山にいる雷鳥は足に羽毛が生えている…羽毛とウロコは変わるものだから、鳥がいない時代の鳥の先祖はウロコが生えていたに違いない…また古い鳥のツバサに指と爪があるから、ツメバケイのヒナのように鳥の先祖は4本足で歩いただろう…。
4本足でウロコがあり、飛べない動物は何でしょう?
トカゲやワニ、カメ、キョウリュウです。 学者は古いトカゲである恐竜が鳥の祖先だと言っています。 恐竜といっても10メートル、20メートルというバカデカイ恐竜でなく、小さい恐竜です。 この小型恐竜の中でウロコが羽毛に変わり体が冷えにくくなりすばしこくなった動物があらわれました。 その動物は木に登り、木から木に飛び移っていましたが、その中でただからだを温めるだけの羽毛から、うまく飛べるように性能がよくなった変わり者ができ、それが鳥になったと考えられています。 ムササビ、モモンガはリスの仲間ですが木から木に飛び移るとき便利なように皮がのびてある程度飛べるようになりました。 木のぼりトカゲは前足の羽毛が発達して飛べるようになり、それが鳥だというのです。
鳥とトカゲはどちらも食べ物をかまず、丸のみしてしまうところも似ている。 学者は言っています。 「恐竜は全部ほろびたのではない。 恐竜の一部は鳥に変化して空を飛んでいる。」
恐竜が鳥になった頃
学者の予想していた鳥と恐竜の中間のような動物の化石が最近多数発見されています。 絵を見てください。これらは鳥でしょうか? とかげでしょうか? 人間の仲間はいろいろありましたが、ホモサピエンス(今の人間)とチンパンジーだけが生き残りました。 恐竜から鳥に似た動物がいろいろできましたが、鳥だけが生き残っているのです。
多数の本・啓蒙雑誌に絵がでています。 推薦は川崎「絶滅した奇妙な動物」@A 解説が簡単ですからマンガしか読まない生徒でも読めます。図書室にあれば、恐竜だけでなくアノマロカリスとかハルキゲニアなどの奇妙奇天烈な姿に興味を持つ生徒も多くでるのではないでしょうか。 クジラの先祖である四足動物の絵もあります。
2010年出版ですから入手容易でしょう。
哺乳類の先祖
私たち人間の先祖は
2億年近く前の哺乳類共通の先祖でした。 それが単孔類、有袋類、有胎盤類にわかれたのです。 哺乳類はそれより昔の化石がない。
では古い哺乳類のそのまた先祖は何だったのでしょうか。
哺乳類の中で一番体のつくりが簡単で古い性質を持つと考えられる単孔類、カモノハシは卵をうみます。 だからそれ以上古い先祖は卵を生む動物だったはずです。
古い哺乳類は4本足ですから先祖は4本足だったに違いない。
また哺乳類は毛が生えていますが、毛のかわりに何か生えている可能性が高い。 4本足で卵を生み、毛のかわりに何か生えているという動物は何でしょうか?
トカゲやカメです。 でもトカゲやカメでは哺乳類と全くちがうという感じです。 しかし古いトカゲである恐竜の一部は哺乳類によく似ている。 絵は中型の恐竜であるトリナクソドンとオリゴキプスですが哺乳類に似ています。 化石を見ると骨の仕組みが古い哺乳類の化石とそっくりで学者でも区別がむずかしい
そうです。
絵は絶滅哺乳類図鑑/丸善から。
毛が生えていたかうろこが生えていたか学者にもわからないのであいまいな絵になっています。
ですからこれらの仲間が私たち人間の遠いご先祖様だという事になります。
この仲間のどれが先祖かはわかっていません。
「恐竜」という言葉は、中生代の爬虫類全体を指す大衆向けの用語としても使われ、 また専門家には双弓類だけを示す科学用語として使われる。ここでは一部の部分を除いて前者の用法とした。
古い中型恐竜が哺乳類になったとき、ウロコは毛になりました。 ただし一部のウロコは残りました。 私たち人間にもウロコはあります。 手と足に20個ある。 つめは骨でない証拠に火をつけるとよく燃えます。 そして燃やしたときのにおいと毛をもやしたときのにおいはよく似ている。
ウロコの大部分は毛にかわりましたが、一部は爪になったのです。
恐竜 → 鳥
→ 哺乳類
となります。 哺乳類ははじめ卵を生む種類ばかりでしたが、赤ちゃんを生む種類が現れ、その種類が有胎盤類と有袋類の共通の先祖だと学者は考えています。
はちゅう類
トカゲは4本足で、からだにはウロコが生えています。そういう動物に何がありますか?
トカゲ、カメ、ワニ、キョウリュウです。 しかし科学者はヘビもこの4種類の仲間に加えています。 ニシキヘビには役に立たない短い足のあとがあり、昔のヘビには足がある。
このトカゲの写真を見てください。長い体にかわいい足があるのがわかりますか? このような細長いトカゲは足で歩くのでなく、ヘビと同じくからだをくねらせて前進します。このような細長いトカゲからヘビができたと学者は考えています。
写真は「ア」。
恒温動物と変温動物
哺乳類には毛があり、鳥では羽毛があります。 これらはキョウリュウのウロコがかわったものですが、毛や羽毛のほうが良いところは何ですか?
哺乳類と鳥は冬でも体温が一定ですが、トカゲやヘビ、カメなどは体温が下がってしまう。 そうすると不便なことがあるのです。
冬に「手がかじかんだ」事がありませんか? 手の温度が下がると、手がノロマになって、うまく動かなくなります。 トカゲやヘビは寒くなると、体の温度が下がってしまうので、体全体がノロマになるのです。 東京の秋の終わりか冬のはじめにヘビが運悪く猫に見つかると、猫のおもちゃにされてしまう。 猫がちょっとかみついて横っ飛びしたり、ちょっとひっかいたりしてもヘビは動作がのろいので反撃できない。 金魚 、ハエ、蝶 などは冬速く動きますか? 夏は速く飛ぶのでうるさいハエも冬は簡単に新聞紙で叩く事ができます。 蝶をつかまえる名人は朝早く涼しいうちに蝶を捕まえます。 気温が低い朝は蝶がにぶい。
雀、 鳩 、烏 、 犬 、猫 などは冬速く動きますか?
鳥と哺乳類は冬ノロマになりません。 鳥と哺乳類は体温が一定だからです。そういう動物は鳥と哺乳類だけです。
ですから、トカゲやヘビは寒くて鈍くなると、隠れるかひなたぼっこをして体を暖めなくてはなりません。そうでないとネコの仲間やタカ・フクロウに簡単に捕まり食べられてしまいます。
鳥と哺乳類は体温が一定で便利ですが、そのかわり体を暖めるための燃料が必要になります。 同じ大きさのはちゅう類と哺乳類では食べ物の量が10倍以上違うのが普通です。 つまり食べ物の大部分は、体を暖める燃料として使ってしまうのです。 ですから、鳥や哺乳類を飼うとき、1-2日エサをやるのを忘れるとたちまち弱ってしまいますが、トカゲやヘビ、カメなどは1週間忘れてもそんなに弱らない。魚もそうです。
鳥と哺乳類の大変優れたところがもう一つあります。 親が子を育てるという事です。 子供の時代エサ取りが下手で死ぬ事はないし、子供の時代に襲われても親が守りますから、生存競争では大変有利です。
恐竜時代
哺乳類や鳥類ができたばかりの時代は恐竜時代でした。 体の長さならクジラに負けない、ばかでかい恐竜もいました。 恐竜時代という絵を見ると、恐竜時代というのは、ばかでかいトカゲが多数いた大変おそろしい時代のような気がします。
でも、科学的に考えると話は違ってきます。
今いる陸上動物で一番大きいのは象です。 象は他の獣と同じく速く走る事ができますが、ばかでかい恐竜はどうでしょうか。
いま170センチ、65キロの大人がガリバー旅行記にあるような巨人になったとします。 巨人の身長を10倍とすれば17メートルと大型恐竜なみです。 体重は650キロではありません。高さだけ10倍では細長いヘビのような人間になってしまう。
横と奥行きも10倍ですから、10倍の10倍の10倍で体重は1000倍、65000キロつまり65トンです。 この物凄い重さを支える足はどれだけ太くなるでしょうか。 縦10倍、横10倍ですから100倍。 100倍の太さの足で1000倍の体重は支える事ができず、その巨人は歩くのはもちろん立っている事もできない。
その巨人が人間なみに歩くためには太さも1000倍でなくてはならない。 つまり面積で1000倍太い足をつけないといけない。ですから本当に巨人がいたとしたら、普通の人間に電信柱のようなばかふとい足をつけたような姿になり、そうでないと歩けない。
陸では大型の動物ほど太い足でないと立つ事も歩く事もできなくなる。 象が太い足でネズミの足がスマートなのは、こういうわけなのです。 象より大型の恐竜は象以上のばか太い足がついていなければ体重を支えるのも、その体重を運ぶのも大変ですから、のろかったはずです。 また今のトカゲ類で見ると神経を電気がつたわる速さは1秒30メートル位ですから、30メートルある大型恐竜はシッポを踏まれてもそれを脳みそで感じるのは1秒あとという事になります。脳みそでシッポを動かそうと考えても動くまでまた時間がかかる。 たいへんのんびりした動物という事になります。
また恐竜は体ばかり大きく脳みその入る場所がせまいので、すばやい運動をする事が難しくなります。 私たちが手足を動かすときは脳みそが手足に命令して動かすのですから、脳みそが小さいと運動能力が下がる。 脳みそが大きくなると頭が重くて持ち上がらないから小さかったと考えられています。
ですから、大型恐竜はみなノロマな動物であったに違いありません。では大型の良い点は何かというと、1つは大きいものはさめにくい…朝にノロマになりにくい、という事です。 第2に良いことはキリンのように高い木の葉を食べることができた事です。 そのころは、杉や樅モミ(クリスマスツリー、エゾ松トド松)の仲間が一番普通の植物でした。 杉の仲間は巨木になり、台風のないアメリカ西部では100メートルの木があります。 その葉を食べるには巨大なほうが有利です。第3は大きくなったあとは襲われる危険がないという事でしょう。
超大型恐竜の多くは、恐竜時代の最後のほうになり、杉や樅モミの巨木の森が減って今の自然林(日本に杉は多いですが、植えたもので自然の杉は珍しい、杉以外の森を想像して下さい)のような森や草原になると、数がひどく減って一部の地方にしかいなくなりました。
そんなにノロマなら襲われると危険? 心配無用、襲うほうもノロい。 そのころはチーターのような高速で走る猛獣もいないし、狼のように何キロも追いかけてくる猛獣もいない。ノロいだけでなく、短距離しか走れない。
恐竜時代は意外にのんびりした時代です。 今のほうが、よほど恐ろしい時代でしょう。 一番強くて、世界中をほろぼすことができる武器をもった大変恐ろしい動物がいます。
恐竜が凄い動物でなく、のろまで不便な動物だったというとガッカリする人がいるでしょうし、そのナサケナイ動物が私たち人間の先祖だという事になれば、もっとガッカリする人も多いでしょう。
しかし昔の人間は頭が悪かったのにだんだん改良されて今のようなすばらしい動物になったのです。 先祖になればなるほど、頭が悪く、不便でナサケナイ動物なのは当たり前でしょう。 恐竜から2億年近く改良が続いて人間ができたのです。
恐竜だってできた時は、一番優れた動物であり、一番優れた動物だから栄えて、恐竜時代になったのです。
恐竜はなぜ滅びたか
これについての学者の考えは一致していません。 地学関係の学者は大隕石のために滅びたと主張しています。 大隕石が落ちて気温が下がった事は事実であり、哺乳類の種類の数もかなり減っている。 しかしそれでは一部の爬虫類が生き延びたことの説明ができない。
そもそも本当に一斉に滅びたという証明が怪しい。 化石の年代を物理的に決めている場合は、恐竜がいつ滅びいつ哺乳類の時代になったかはっきりさせる事ができる。
しかし化石から年代を決めた例が多い…つまり「恐竜は世界全体で同時に滅びた」という仮定をもとにして化石の年代を決め、それをもとに一斉に滅びたといっているのですから循環論法です。
仮説としては次の仮説が一番合理的だと思っています。大隕石のため、動物がほとんど全滅した場所があり、暖かくなってからそこに動物が再進出した。そのとき、まだ低温であったので、鳥と哺乳類が進出し、適応放散して鳥と哺乳類の世界となった。そこで進化した哺乳類が世界中に広がり中小型恐竜との生存競争で勝った。 すでに衰退していた大型恐竜は隕石のとき食料不足で絶滅した。 大型動物は生きていくのに好適な場所が広い地域である事が必要ですが中生代末期にはそういう場所が狭くなっていて大型恐竜は少なくなっていました。大隕石のためさらに狭くなったのです。
なぜ1億年の間哺乳類は恐竜に勝てなかったのか
有胎盤類が有袋類にたいていすぐ勝つのに、哺乳類はなぜ恐竜に勝てなかったのでしょうか。 有胎盤類と有袋類の差より、哺乳類と恐竜の差は大きく、哺乳類は生存競争で断然有利なはずです。
有胎盤類と有袋類はできた時期にあまり差がない(正確な差はわからない、初期の有胎盤類と有袋類の化石区別は困難)のに、恐竜は哺乳類より古くからいろいろな方向に変わり、いろいろなすみ場所やエサを見つけていた(適応放散という)からだと学者は言っています。 恐竜類はそれぞれのすみ場所で長いこと改良され「専門家」になっているのに、哺乳類は何でも屋のような状態だから、頭の良さ・親が子を守る・すばしこさ・定温などの点が上でも、勝てなかったのです。 運動能力抜群というスポーツマンでも、雪国育ちで冬は毎日スキーをやっていたという人々にスキーで負けてしまうようなものです。
いまどこかに離れ大陸があって恐竜王国になっていたとしたら、哺乳類の持ち込みを防止しないといけない。 哺乳類が侵入したとたんに同じすみ場所同じエサの恐竜がほろびてしまうに違いありません。
恐竜の先祖
恐竜時代の前には、恐竜がいませんでした。 では恐竜の先祖は何だったのでしょうか。
恐竜の先祖は大型のイモリに似た動物でした。 イモリを知らない人はカエルにシッポをつけたような動物だと思って下さい。 姿はトカゲに似ているが体にはウロコがなく、卵は水中だったと考えられています。
体にウロコがなければ長いこと日当たりにいると干からびてしまう。卵もカラがないから、陸上では干からびてしまう。 水とエンの切れない不便な動物です。 恐竜はカラのある卵を生むから陸上に卵を生むことができる。 イモリやカエルはオタマジャクシが水の中で暮らしていますが、トカゲなどはちゅう類では卵の中でオタマジャクシの時代が終わってしまう。 人間もお母さんのおなかの中で卵がかえったあと、オタマジャクシや魚に似た姿になり、あとからだんだん変わって人間の姿になってから生まれるのです。 絵を見て下さい。
絵は「性の世界」に入れてあります。もとの絵はAlvin Nason & Robert L.Dehaanの「The Biological World"John Wiley & Sons,Inc. から、魚、イモリ、カメ、ニワトリ、ウサギ、ヒトの発生を比較した絵を採用しました。 わかりやすくするのに重要でありながら普通の啓蒙書にはない、という絵や写真が多く、生物関係の中学・高校教材を作るのに大変役に立つ本です。 高校1-2年ならわかる平易な英語で書かれています。 また昔の両生類の絵はやはり川崎氏の本にある。
両生類
イモリ、カエルの仲間を両生類といいます。 子どものときは水中、親は陸の上、という両方に生きる仲間という意味です。 カエルは栄えていますし、イモリもそれほど珍しくはないが、サンショウウオなどほかの仲間は細々と生き残っているという感じです。
卵にカラがなく、水中でないと干からびてしまう。 子供は水中です。 親も長いこと日当たりではウロコがないから干からびてしまう。 最初にできたときは、数メートルある大型のものもあり、大変栄えていましたが、恐竜ができるとたちまち負けてしまい、今では数も種類も少なくなりました。
カエルは似た生活をする哺乳類や爬虫類がいない・・・生存競争の相手がいない。 哺乳類で似た生活をするものがないという理由でヘビが栄えているのと同じです。
両生類つまりカエルの仲間は水の近くだけで栄えていましたが、恐竜は水からはなれて生活できますから、恐竜は水からはなれた場所に進出し、いろいろなすみ場所とエサを見つけて多数の種類にわかれて行きました。適応放散といいます。 そして場所に応じた専門家になりましたから、両生類はたいてい負けてしまったのです。
両生類の先祖
カエルの子供であるオタマジャクシは何に似ていますか
? ナマズという魚に似ているからそういう歌があるのですね。
両生類の先祖は魚でした。 でも普通の魚には肺がなく、陸の上ではすぐ死んでしまう。 中には食道や腸で少し呼吸できる魚もいるがも長い時間は無理です。
ところが肺のある魚がいます。 肺魚やシーラカンスの仲間です。
シーラカンスのヒレはふつうの魚のヒレと違っている。 どこが違うか写真
(絵)を見て調べましょう。 どこが違っていますか?
普通の魚のヒレは骨と皮だけですが、シーラカンスの仲間は筋肉の盛り上がりがあります。 今のシーラカンスは海にいますが、昔のシーラカンスは川にいて、この筋肉つきのヒレで川底の石をどかし、虫を探して食べたと考えられています。 この昔のシーラカンスが上流に進出し、浅いところで川底の石ころの上をヒレを使って歩くようになりました。 あまり浅いとところでは泳ぐより歩いたほうが便利でヒレは足に改良されます。 そしてその足を利用して上陸したのが、両生類です。
胸鰭ムナビレが前足になり、腹鰭ハラビレが後足アトアシになりました。 写真は「ア」以外にも多数の本にあります。
昔のシーラカンスは肺とエラがあるなど何でも屋でしたから、専門家ができると生存競争に負けてしまい、海の深いところで細々と生きのびているだけになりました。 両生類ができると歩くほうでは両生類に負け、泳ぐほうでは泳ぎ専門の新しい魚に負けたのです。
シーラカンスの標本は東京上野の科学博物館にありますから、行った人はヒレをみて下さい。 また大きな水族館にはポリプテルスという魚がいる事があり、その魚はシーラカンスの近い親類で特別なヒレを持ち、子供はオタマジャクシにそっくりだという事です。
学者の中には
DNAの類似からすると肺魚のほうがシーラカンスより両生類に近いから肺魚がわれわれの先祖だと書いている人がいます。これも正しい。ここでは「シーラカンスの仲間」「昔のシーラカンス」という言い方で肉鰭を持つ魚全体をあらわしていますから、これでも良い。ハイギョも肉鰭類に分類されます。 高校では総鰭類とか肉鰭類という言葉を使うほうが混乱しなくて良いと思います。
魚の上陸の話
シーラカンスより古い魚
カエルやイモリにはウロコがない。 しかしシーラカンスは魚ですから、ウロコがある。
魚のウロコは燃えますか? アジを焼くとよくわかる。 燃えない。
魚のウロコは骨と同じものからできていて、トカゲのウロコや人間の毛とは違うのです。 つまり魚のウロコは両生類になってなくなり、あとから皮膚を変化させてウロコを作ったのです。
つまりトカゲのウロコは毛や羽毛と同じくたんぱく質で、魚のウロコは燐酸カルシウムが主。
ではシーラカンス類より古い魚はウロコのかわりに骨があったのではないでしょうか。
5億年前の魚にはからだのまわりにウロコでなく硬い骨がありました。 当然泳ぐのは下手だったと考えられています。 甲冑魚カッチュウギョ、甲冑とはよろい・かぶとの事です。 これが私たち人間の遠い遠い先祖です。
絵は川崎氏の本にある。
脊椎動物セキツイドウブツ
この古い魚には背骨がありましたが、やわらかいものでした。 外側が硬いから背骨はやわらかくても良い。 虫のように脱皮しながら大きくなったのでしょう。 その前は、やわらかい背骨さえないピカイアという動物です。ナメクジウオの仲間…原索動物ゲンサクドウブツという。
背骨のない動物を知っていますか? 虫もエビも貝もクラゲもミミズも背骨はない。
背骨のある動物は今まで勉強した魚類、両生類、はちゅう類、鳥類、哺乳類です。
円口類(ヤツメウナギ類)を加えて6種類だが省略。
これらを脊椎動物セキツイドウブツといいます。 脊椎とは背骨のことで、背骨のある動物という意味です。 古い魚のそのまた先祖は背骨がないから、脊椎動物の勉強はこれで終わりです。
ヴィデオ「魚の上陸」
NHK。 背骨がないが魚に似た形の動物から魚になり両生類に進化するまで。中学生には難しすぎるところがあるので、わからないところがあっても良いと断りを入れておきます。高校なら全部わかるでしょう。
その他
昔の動物はみな水の中にすんでいました。 魚が上陸してカエルやトカゲや鳥や人間になりましたが、ほかの生物にも上陸したものがあります。
貝の仲間が上陸したのは何ですか?
カタツムリやナメクジですね。 ナメクジはおやどがない貝です。 ですからカタツムリのカラをつぶして塩をかけるとナメクジと同じようになる。 海の中にもおやどのない貝がいます…ウミウシです。
エビ・カニの仲間で上陸したのは? カニのほかには?
エビは体に節があるだけでなく、足にも節があります。 足に節がある動物は陸の上にたくさんいます!
昆虫ですね。 コガネムシや蝶や蜂、蟻などをみているとあまりエビに似ていないようですが、コガネムシの子供も蝶の子供も、蜂ハチや蟻アリの子供もイモムシで、体も、足も節が集まってできている。 クモ、ムカデなどもそうです。 これらは大昔エビに似た動物が陸に上がって変化したものです。
ウミウシを知らない生徒のため図鑑を用意して下さい。