地震と火山の話    
     
  プレート、リソスフェア、アセノ
スフェア、マントル、地殻などの定義をせず、あいまいな説明としました。 正確さを要求するのは、面倒になるだけで、このあたりの理解段階では視野をひろげるものでない、という判断です。 断層と断層面の区別もあいまいなままで良いとしました。 完成度B、 授業容易さA

阪神大震災
 
  台風の場合は、気象庁がいつどこで、どの位の大風が吹くか予報します。三宅島や有珠山の火山大噴火の場合は何日に噴火するとまでは行かないが近いうちに噴火するおそれがあるから避難しなさいという程度の予報はでき、死者を一人も
出さずに済みました。  、
最近の御岳噴火のように比較的小さい噴火は予報困難です。


 阪神大震災のように
6000人以上の死者がでるようなような地震は予報できないのでしょうか。

 今の研究ではいつ地震がおこるかという予報は困難です。 しかし神戸は大地震が今まで何百回とか千回くらいおきた土地であり、何年あとかわからないが近い将来また大地震がおきるだろうと科学者や理科の先生など科学を勉強した人は考えていました。

 神戸で何回も大地震がおきた事はどうしてわかるのでしょうか。
 阪神大震災のとき淡路島では地面が割れ、左右に2メートルのズレが出来まし た。 教科書の写真を見て下さい。 このズレは地下深いところまで続いていると考えられそれを断層という。 
  
断層の絵と淡路島の断層面の写真を使用して下さい。
  地面がこれだけ動いたのですから、大地震となり多数の建物がこわれたの
です。 この断層は地表から見えますから、将来崩れたり人間がこわしたりして断層が見えなくならないように震災公園として保存されています。  

  伊豆で大地震がおこった時、やはり土地がズレました。
 次の写真を見て下さ
い。 地震でずれたところ、つまり断層に線がひいてありますが、良く見ると山や谷がズレています。 左は人工衛星写真、右はコンピューターで300mぶんほどずらせたものです。 こうすると山や谷がつながる。  
  
授業では松田氏著書の写真を使いましたが、現在はインターネットの「石廊崎断層」にその地図があり、それをダウンロードして下さい。

 つまり何回も大地震がおきて、そのたびに土地がずれた…
1回の地震で1メー トル動いたとすれば、300回同じところで大地震がおこった事になる。その結果が300mのズレです。  断層の方向によって主に上下にずれる事もあれば、主に水平にずれる事もあり 上下にも水平にも大きくずれるという事もあります。

 神戸ではどうでしょうか。 神戸の場合平らな町になっているので今までどの
位横にズレたかどうかはわかりにくいが、大きな縦のズレはわかる。 神戸の地下には花崗岩カコウガンという白い岩がありますが、すぐ北の六甲山は花崗岩の山で600mある。 1回の大地震で平均1m縦にずれたとすれば、大地震のたび に神戸では北側の土地が1メートル高くなり600回の大地震で600mの山 ができる事になります。 1回で50cmなら1200回です。 土地が50センチとか1メートル動けば、家もそれだけ動きますから大地震になります。

 どうして土地が横にズレたり、上下にズレたりするのでしょうか。
 まんじゅうを横から押したらこわれてアンコが上に出てきました。おなじよう に神戸の土地が横から押されて花崗岩が上にはみだしたと考えられる。 一度こわれたところは弱いから、またまんじゅうを押すとまた同じところから アンコが上にはみだす。 同じように横から神戸の土地を押すと花崗岩がまたはみ出す。  そ れを繰り返せば600mの花崗岩の山が出来る。 

 つまり昔神戸のあたり
は平らだったが、地震が何回もおきて600mの山ができたのです。 大地震が400年に1回で600回地震がおきたとすれば、 400×600ですから24万年かかって山ができた事になる。  神戸の場合も、伊豆の場合も何万年何十万年も続けて南から押してくる力があ ると考えられますが、どうして押す力ができるのでしょうか。

大陸移動説
 
 
20世紀のはじめ、ウェゲナーという学者は、陸が動くという理論を発表しまし た。   大西洋の東側にあるヨーロッパ、アフリカと西の北アメリカ、南アメリカの形をよく見ると、片方のでっぱったところはもう片方がへこんでいて、昔はつなが っていた可能性がある、とウェゲナーは考えはじめたのです。
 
社会科地図を持たせて下さい。
 昔大西洋はなく
て、ヨーロッパ・アフリカと南北アメリカはくっついていたのではないだろうか。  こう気がつくとウェゲナーはその証拠を集めはじめました。

 ヨーロッパと北
アメリカ東部には同じミミズがいる。 ミミズは空を飛ぶこともできないし、海 を泳ぐこともできない。 同じミミズがいるという事はヨーロッパと北アメリカ がくっついていた証拠ではないだろうか。 同じように北半球のインドと南半球の南アフリカに同じミミズがいる。 インドはもと南アフリカとくっついていた のではなかろうか。 
 オーストラリアには袋のあるケモノが多数いるが、南米に
も昔の化石が多種類あり今でも少しはいる。

 オーストラリアと南米には南極ブナ
(ブナモドキ)という木が共通にあり、オーストラリアとアフリカにはバオバブ という木が共通にある…・。  このような証拠は1冊の本になるほどたくさんあります。 それまで生物学者は陸橋説といって、アメリカとヨーロッパの間、インドと南アフリカとの間、南米とオーストラリアとの間などに細長い陸が昔あったと考えていました。
  しか
しそんな陸があったという証拠になるような海底地形はないし、インドと南アフリカ の間をミミズが移動するためには赤道を通る必要があり、気候がまったく違う(赤道の下は1年中暑く、1年中雨が多いがインドと南アフリカは雨季乾季があり冬は涼しい、また夏と冬が逆)ところをミミズが移動するのは困難であるとウェゲナ ーは主張しました。

 岩石・鉱物の証拠も多数見つかりました。 例えば南アフリカからダイヤモン ドがでますが、南アフリカとくっついていたと思われるブラジルの地方からもダ イヤモンドがでます。  またインド南部には氷河のあとがありますが、1年中暑い今の南インドの気候で氷河がで きるとは考えられません。 しかしインドが南アフリカにくっついていたなら可能性はあります。

 ウェゲナーの理論は生物学者に支持されました。 それまでの研究の
結果を説明できるだけでなく、研究を進めていってもウェゲナーの理論は支持さ れます。
 しかし地学
(地形や岩石を研究する学問)の学者の大多数は反対しまし た。 陸が動くという理由が明らかでなかったのです。 今は精密な機械がありますから、陸が動くことが直接証明されています(1年に5センチとか10センチ 位です)が、20世紀はじめはそのような機械がなかったので、「陸が動く」という証拠は多数あっても絶対という証拠ではないと地学を研究する学者の大多数が考えました。。

  動くという理由が怪しい以上、陸が動くという考えは信用できない」と考える学者が多かったのです。
  陸が動くという理由を考えた学者もいましたが、反対が多数のままでした。 、多数の学者は自分たちの研究・理論のほうが欠点だらけでも、新しい理論が完全無欠でないかぎり、認めたがらないのです。  自分たちの一生をかけた研究・考え(陸が動かないとして地形や岩石を説明)がひっくり返り無価値になるのは認めたくない。
 ウェゲナーの大陸移動説は、地形や岩石についての現代の研究のもとにな
っている大理論ですが、ダーウィンの進化論(動物や植物が祖先である簡単な生物から変わってできたという理論)と違い、ウェゲナーが生きているうちには多数派に なりませんでした。  

古磁気の研究
 
 砂場で砂鉄をあつめる事ができます。 砂は岩が崩れてできたのですから、も
とは岩の中にあったのです。 みなさんは磁石に吸いつけた鉄が弱い磁石になる のを知っていますか。  裁縫のハサミをスピーカーの強力磁石で弱い磁石にしておくと、針を畳の上に 落としたとき、簡単に拾うことができます。 ハサミで釣る。 ねじまわしを磁 石にしておくと、鉄のねじを回すとき片手で回すことができて便利です。
  岩の中の砂鉄は地球という磁石の力でごく弱い磁石になっていないでしょうか。 なっているはずですね。 理屈ではなっているはずですが、その磁力は大変弱くて方位磁石ではわかりま せん。

 ウェゲナーが死んでからそのごく弱い磁石の弱い磁力を測る機械が発明
されたので、学者たちはその機械で岩石中の砂鉄の磁力の方向がどちらを向いているかという調査を始めました。その岩ができた時の南北を向いているはずです。  その結果、古い岩石中の砂鉄は磁力の向きが今と違う事がわかりました。しかしウェゲナーの理論どおり陸が動いたとすれば、その時の南極北極の場所は磁力 の示す南極北極とピタリ一致しているのです。  
 これは確実な証拠ですから、反対していた学者たちも考えを変えるしかなくなり
ました。 そして陸を動かす理由として考えられた仮説であった、マントル対流説が正しいと考えるほかはなくなりました。

マントル対流説

 地球は外側に岩石の層があり、真ん中に溶けた鉄のかたまりがあり、そ
の中間にマントルというものがある…と考えられてきました。 地震のゆれは波 ですから、伝わり方を調べると地球内部の事がある程度わかるのです。 
 入手容易な絵を使います。
 マント
ルは一応固体のようでもあるが、長く力をかけると液体のように形が変わると考 えられています。ミズアメやハチミツをもっともっと粘るようにしたようなものでちょっと押してもすぐには動かないが、長い間力をかけるとゆっくり動く。    
  地球の内部は熱い。 その熱はマントルに伝わる。
 そうすると水をビーカーに入れて熱したときと同じように、熱い部分は上に動 き、冷えた部分は下に動いて、「対流」がおきるはずです。
 対流は小学校で習うがたいてい定着率が低いから、復習が必要な事が多い。

 マントルはたいへんかたくねばっこいミズアメやハチミツのようなものですから、上にのぼる速度も下に下がる速度も大変遅い。 
1年何センチ、10何センチという位です。 それが大きな地球の中をまわるから、1回りに何千万年もかかる。 そのマントルが動くと、陸も引きずられて動く。

 恐竜時代に世界の大陸は1つしかありませんでした。 パンゲアという。
 ありあわせの図を用意して下さい。
 そのときパンゲア大陸の真ん中でマントルが湧き出しはじめました。 
 マントルの流れはゆっくり東西にわかれ、それに引きずられてヨーロッパ・ア フリカは東、南北アメリカは西に動いて大西洋ができました。
 
この図も入手容易です。
 この熱いマントルの湧き出している、大西洋の真ん中の海底は地震が多いと思
いますか? 少ないと思いますか?  
 この熱いマントルの湧き出している、大西洋の真ん中の海底は盛り上がると思
いますか?  凹むと思いますか?
 この熱いマントルの湧き出している、大西洋の真ん中の海底は火山が多いと思 いますか?  

 学者が調査したところ大西洋の真ん中は地震が多く、火山も多く、もりあがっ
て海底山脈になっている事がわかりました。 その火山が海上に顔を出しているのがアイスランドですから、アイスランド国の人々は大きな火山の頂上近くに住んでいるのです。
 同じ理由でインドは北に向かい、アジアとぶつかっています。
 最近の研究では
インドがアジアの下にもぐりこんでいると考えられています。 そうしてできたのがヒマラヤです。 インドがもぐってくるので今でもヒマラヤは毎年高くなっていると考えられています。

日本の地形と地震

 日本のあたりではどうでしょうか。 太平洋の下に日本のほうに向かうマント
ルの流れがあり、日本の近くで地球の内部にもぐって行くと考えられています。 太平洋の海底はそれにひきずられ、東日本では1年に10センチ位、太平洋の海底が進んできます。 そのマントルの流れが日本の少し前でもぐりこんだら、その場所は海が深くなっているでしょうか? 浅くなっているでしょうか?
 図は入手容易です。 僕のように中学時代の図画工作(今の美術)543212という不器用人間ででなければ、自分で描くのが良いと思います。
 
深くなっている。 それが日本海溝です。 この太平洋海底が押してくるのが、地震の原因です。
 「押されてヒビわれの入った岩は、そのヒビわれにそってずれる」というのが、阪神大震災などの多数の地震です。 ですから何百回も同じヒビわれのところで岩がずれて地震がおきる。

 ただし、関東大地震や予想されている東海大地震、南海大地震などもっと大き
な巨大地震(阪神大震災の地震とはエネルギーが1桁違う)は、押されてできたひ び割れと関係がなく、毎年あたりの岩全体が曲がり何年かに1回曲がった岩が弾 力でもどるから起こると考えられています。
 図は入手容易
 関東大震災のとき、地震の前に震源
(地震のおきた場所)に近い三浦半島は土地が毎年下がったと思いますか? 上がっていたと思いますか? 
 地震があったら三浦半島は
1-2メートル沈降(下がること)したのでしょうか、 それとも隆起(上がること)したのでしょうか?  
 
 マントルに引きずられて陸が毎年沈み、弾力でもどると巨大地震となる。
 全国で土地が最近下がりっぱなしのところが調べられ、そのうち仙台付近と北海道十勝地方は宮城沖大地震、十勝沖大地震という巨大地震がもう起きました。 東海大地震、南海大地震がおそれられているのは、あたりの土地が毎年下がっているのに、ま だ大地震がおきてないからです。 ですから、東は東京・横浜から西は名古屋まで大きな被害が出ると予想されるこの巨大地震にそなえた避難訓練が必要なのです。
 先生は今すぐ地震が起こったほうが良いと思っていますが、その理由がわかる人がい
ますか
?

 毎年陸の沈みが大きくなっているから、ますます大きな地震が起きると考えられます。

 東京ではこの巨大地震の他に、阪神大震災くらいの断層ずれ地震もおこる可能
性があり、君たちの生きているうちに東京が2回大地震にやられる可能性がある と学者は言っています。

構造線
 
 人工衛星から見える、中央構造線、フォッサマグナという大断層があります。
これらの断層は数千年に1回の大地震でずれたと考えられています。教科書の写 真を見てください。九州で中央構造線が見えなくなるのは阿蘇山の噴火で見えな くなっているだけで、溶岩や火山灰の下に大断層があると考えられています。

海岸段丘

 三浦半島にゆくと、関東大地震で陸になった土地が見られます。 海に面して 平らな岩がひろがり、反対側は絶壁になっている。  
 写真か絵を用意して下さい。教科書にもあるはず。
 地震の前は海がその絶壁のところまで来ていました。 波に削られて絶壁にな
っていたのです。  でも水に岩が削られるというと不思議な気がしませんか?

 実は波のために砂が水中にまきあげ られていて、その砂が岩をけずるのです。紙やすりは紙に砂がぬってあるのを知ってい ますね。 その砂でかたいものを削る。 海岸の岩は波という紙やすりのようなもので 削られると思って下さい。
 地震で陸になったところは海面少し下で平らでしたから、地震で上がったら平 らな岩場になったのです。 ではどうして海面少し下で平らなのかといえば、もとは陸地であり、それが波に削られたので、波のある海面のところまで削られ、 その下(海面下)の岩は削られないでそのままだったからです。 このような地形は高知県の室戸岬など他の場所でも見られます。

本州に近づく島の運命
 伊豆大島や三宅島などの島は、海底から見れば3000メートル近い大火山であ り、島に住んでいる人はハワイやアイスランドの人と同じく大火山の頂上近くに住んでいるのです。これらの島はだんだん本州に近づいています。 しかし 3000mの大きな山は海底に全部もぐりこむというわけには行かない。 本州にぶつかってしまうと考えられていま
す。
 ではもうぶつかった島があるのでしょうか。

 伊豆半島は昔の島で、現在箱根の下に潜り込んでいると考えられています。
ですから、伊豆は日本一地震が多い。 そして関東地方、東海・中部地方を押し ながら下から持ち上げている。
 そのため赤石山脈
(南アルプス)の主な山々は今 でも高くなりつづけている事が精密な測量でわかりました。 学者は「日本にも 4000メートルの山ができ氷河が見られるようになるだろう」と言っています。 

ではどの位高くなっているのかというと、1年に
4ミリから7ミリです。  1年に5ミリとすると、1メートル高くなるのに200年。 10メートルで2000 年。 今3000メートル級の赤石山脈が1000メートル高くなって4000メートル 級になるには、その100倍の時間がかかる。 つまり2000年×10020万年で す。 20万年というと、20万年前は今のような人間でなく旧人がいましたから、その位の年月だと思って下さい。
   新人は熱帯アフリカのどこかでその頃できたはずだが、化石が発見されていない。  

 では富士山ももっと高くなり
5000メートル級になるかというと、そうは行か ない。 富士山は西のほうがかなり崩れていますから、あの世界中で有名な美しい形は長くもたない。爆発して山の頂上が吹っ飛ぶ可能性もある。 磐梯山は江戸時代まで富士山のような形をしていましたが 1888年の噴火で山の1/3が吹っ飛んでしまい、あたりの川がせき止められて裏磐梯の多数の湖ができました。 日本一の山が爆発したら大変な被害ですが、噴火のときは三宅島や有珠山の場合のようにある程度予想できると考えられ、噴火にそなえて多数の観測機械が富士山のまわりに配置されています。 

石灰はどこから来たか

 校庭で使う石灰は、石灰石という白い岩をくだいたものです。 石灰石はサン ゴの化石ですから、秩父市の前にある武甲山や琵琶湖の前にある伊吹山のような石灰岩の山はもと、海のサンゴのかたまりでした。  そのサンゴのかたまりは沖縄やハワイのような熱帯・亜熱帯の島のまわりにで きたはずです。 千葉や和歌山、高知などの海にもサンゴはありますが、山をつくるような大量のサンゴは熱帯・亜熱帯でなければ見られない。  

  そのサンゴが島といっしょに海底の動きのためやってきますが、サンゴは普通
の岩石より軽いので、海底の下に潜り込んで行かず、浮き上がって本州にくっついてしまう。 これが伊吹山や武甲山です。 つまりこれらの山のあるところが 海岸だった時代があるのです。
 秋吉台や平尾台も海中のサンゴが海底の移動の
ため運ばれてきたのです。 日本の太平洋側部分の多くは流れ着いた多数の島か らできていると言われています。

 火山島のまわりのサンゴは石灰岩の山に化けますが、火山から出た灰、砂、石、
岩などは凝灰岩に化けます。 凝灰岩はもと岩のところが硬くもと火山灰のところ(火山灰が押されて固まったところ)がやわらかいから、やわらかいところが雨風にけずられて、もともと岩のところが 残り、奇妙な形の山になる事が多い。  奇岩怪石で有名な妙義山や両神山、山寺などは凝灰岩でできています。九州の英彦山、青の洞門もそうであたりには奇岩怪石が多い。 
 
写真は入手容易。 授業では生徒有志を妙義山、西秩父二子山に連れて行ったときの写真スライドを使いました。 両側絶壁のやせた岩尾根を上り下りするく生徒たちを見たら教育委員会の方々が卒倒しそうですが・・・。

地震について教科書にない注意
  
---主要動と初期微動、震源については教科書のままでした。

< 地震があれば、小さな揺れでも大急ぎで戸をあける事。 大地震の初期微動かも知れない。 大地震の主要動がきたら、開ける事が困難。 そのうちに戸が曲がって開けられなくなる可能性がある。学校でも実行する事。 授業中でも理科の先生がそう言ったからと言い、授業の先生の許可なくあける。 許可を得る間に主要動がくる可能性がある。
地震だ火を消せ、というのも小さい揺れが初期微動かも知れないからだ。主要動がきて大揺れがはじまったたら、立つのさえ難しく火を消す事はできないと思って良い。 大揺れがはじまったら、ある程度おさまるまで待つ。 
2-3分あとな ら火事がおきても火が小さいから消すのは難しくない。
大揺れになれば机に掴まりながら、机と一緒に床を動くことになる。
机の下に入れない大男大女は、かばんや教科書・ノートを頭にのせて蛍光灯などが落ちてくるのに備える。 外で建物の近くにいるときも同じ。
広い廊下では、頭を低くし端のほうを進む。はじめのうちは煙の大部分が真ん中を進>むのが普通だ。
階にいて煙がひどくなったら、最後の手段として屋上に逃げると東京のような大都市ではヘリコプターが助けに来てくれることがある。
大切な忘れ物があっても燃えている家に入ってはいけない。 燃えていないところでも燃えているところから出る煙・有毒ガスがまわっていて、それにやられる事が多いし、爆発的に火が急にまわる事も普通だ。

火山
 マントルの湧き出し口でも火山ができますが、潜り込むところでも火山ができると考えられています。

 海溝の先のほうにできる。 潜り込んだ海底が融けてマグマというものになり火山の原因になると考えられています。 マグマの説明は教科書。 日本のまわりには、3つの海溝があり、その先に3つの火山帯がある。 ですから、日本近くの海溝、日本の火山・地震は皆同じ原因でできるというわけです。

 火山は爆発すると危険ですが、富士山をはじめ形の美しい山になる事が多く、日本の観光地の多くは桜島、霧島山、九重山、雲仙岳、由布岳、大山、白山、御岳、立山、箱根、富士、日光男体山、那須、安達太良山、磐梯山、月山、鳥海山、岩手山、岩木山、八甲田山、大雪山、後志羊蹄山シリベシヤマ、有珠山、駒ケ岳(北海道)…など火山のあるところです。

後志羊蹄山…地図には羊蹄山ヨウテイザンとあるのが普通ですが、これは地図をつくる役人が漢字に弱かったため間違えたと考えられています。後志羊蹄山の後志をシリベシと読みシリベシ地方の羊蹄山と読んだのですが、本当は後志がシリヘで羊蹄の2つの字でシですからシリベシヤマです。 地名(例。岩菅山イワスゲヤマ)には在地の人々の発音・用語(イワスゴヤマ)と違うものが時々あり、いずれも役人の誤読由来と思われます。 僕が疑問に思っているのは熊谷市クマガヤです。 源頼朝の御家人に熊谷クマガイ直実という有名な武士がいて今の熊谷市の住人でしたから、クマガイと読むはずなのに、いつからクマガヤになったのでしょうか。誰か教えて下さい。

 火山は陸が移動するためにできます。 それなら地震のあるところと火山のあるところは同じでしょうか。  教科書の地図をみましょう。

火山の形、カルデラについては理論が安定しているかどうか僕にはわからないので教科書とおり教えて良いと思います。

火山と鉱物

 日本には鉱物が多く、石油以外の鉱物資源はかなりある。 日本はどの金属も輸入しているではないか、と思うかも知れませんが、それは現代の話です。
昔は金の輸出国だったから「黄金の国ジパング」の伝説ができました。 明治大正時代には銅の大輸出国で世界一の年もある。 ですから足尾銅山の鉱毒事件もそのためにおこりました。銀の大輸出国だった時代もある。

 しかし日本は現在世界第2位の大工業国であり、大量の金銀や銅を必要とします。 面積の割には資源が豊富でも、工業力の割からすれば足りないのです。 そして先進国になり豊かになった現在では途上国より給料が高いため、金や銀・銅・亜鉛などを掘っても途上国と競争できない。

 では金銀とか銅・亜鉛化合物の結晶である鉱物がどうして多いかというと、火山のあるところでは再結晶がおこり、同じ化合物が集まるからです。 ですから、鉱物の多い国はチリ、ボリヴィアのように火山のある国か、南アフリカのように大昔火山のあったところと考えて良い。

 教科書に火成岩というのがありますが、マグマが冷えて固まったものです。この中に鉱物がある場合がある。 泥や砂、石ころなとがかたまってできた堆積岩に鉱物はありません。 また明礬などで実験したように、ゆっくり冷やせば大きな結晶ができるから、鉱物は地下深くでゆっくり冷えてできた火成岩(深成岩という)ある。    

温泉

地下のマグマのため、地下水が温められると温泉となる。 ですから日本は温泉が特別多い国です。 そして日本人は特別温泉好きな国民です。 外国では湯が湧き出していても、そのままお湯が流れっぱなしで旅館・ホテルなど無いという地方も普通です。 火山、地震、鉱物、温泉は関係があるのです。 

地震・震源・震央 教科書通り教えました。