ルートの計算
今は電卓にルートがあるのが普通ですが、ない場合の計算方法です。
昔からある開平法というのもありますが、面倒で暗算には適していない。
今ルート5を暗算で計算しましょう。 2×2は4、3×3は9ですから、2のほうが近い。
そこで5割る2とします。 2.5. それと第一近似の2を平均します。すると2.25.
これがルート5の大体の値です。 現場では学校のテストのように馬鹿げた正確さを要求される事はめったになく、実用的にはこれで間に合う。 正確に計算すると2.236です。
こんどはルート8を計算してみましょう。 第一近似は3ですから、(8は9に近い)3で割ると2.66・・です。これと第一近似値の3を平均すると2.83・・。 2.828ですから実用的には十分です。この程度なら暗算でできる。
その原理は高校生か数学得意の中学生ならわかります。
正確なルートの値をAとし、第一近似をBとしましょう。 すると誤差はA-Bです。
この方法ではA2/BとBを平均したものを答つまり第2近似とします。
すると誤差はA−B/2 −A2/2B ですから(A-B)2を2Bで割ったものになる。つまり第2近似値の誤差は第一近似の誤差の二乗の半分を第一近似値で割ったものになる。 もともと誤差は小さい数字ですから、二乗の半分を第一近似値で割ったものが大変小さくなる事は確かです。
コンピューターでプログラムを作るとき、その中にルートの計算があれば、この方法でやります。 開平法をプログラムにすると計算方法が複雑なためにプログラムが面倒で長くなる。
正確さが要求されるときは、この方法で得た近似値を第一近似として計算を繰り返せばよい。 繰り返しはプログラムで2行ですから簡単です。 おそらく電卓やパソコンに組み込まれたルート計算命令セットもこの方法だと思われます。