県政報告26号
平成22年も残すところ僅かとなりました。皆様におかれましては何かと気ぜわしい毎日をお過ごしのことと拝察いたします。幸いにも新型インフルエンザは影をひそめておりますが、11月末、島根県安来市で高病原性の鳥インフルエンザの発生が確認されました。これからは季節性インフルエンザが猛威をふるうのではないかと危惧されています。特にお年寄り・赤ちゃん・幼児など抵抗力のない方々の感染には十分気をつけてくださいますようお願い致します。
◇生活を守るために◇
今年の夏は、全国的に厳しい暑さが続き、各地で猛暑日や熱帯夜の記録が更新されました。
過去、日照り・水不足は日本の農業に被害をあたえ続け、干ばつによる凶作は、冷害によるそれよりはるかに多くあったことが想像できます。
近年においても給水制限などが全国各地で行われることもありますが、神奈川県ではこうした異常気象に備え、必要な施設整備をしてきたため、今年も給水制限などはありませんでした。また9月8日には神奈川県西部、及び静岡県御殿場市・小山町は記録的な豪雨に見舞われ、下流の小田原市酒匂川流域一万世帯に避難勧告が発令されました。
もし神奈川県側に「三保ダム」がなかったら、酒匂川は「暴れ川」の名のとおり流域に大きな被害をもたらしたことでしょう。私たちはこれまで以上に地球環境、身の周りの自然環境を守ることは当然として、環境の変化、気候変動への備えも怠ってはなりません。
「百年兵を養うは一朝のためにあり」。北朝鮮による民間人への砲撃の際、新聞で目にした古訓ですが、長年の鍛錬の成果は、いざというときに、しかも急に問われるものであるということを教える言葉です。防衛しかり、食糧自給しかり、ダム・防災施設などへの投資は不可欠だと改めて感じた次第です。
◇61回全国植樹祭◇
本年、神奈川県主催で「全国植樹祭」が、5月23日、天皇・皇后両陛下をお迎えし、南足柄市・秦野市をメイン会場に盛大に開催されましたが、3日間にわたり両陛下は箱根町に滞在なされました。
全国植樹祭は「豊かな国土の基盤である森林・緑に対する国民的理解を深める為」に行われていますが、昭和24年箱根町仙石原で行われた植樹祭が原形となっており、昭和天皇が芦ノ湖・湖尻に御手植えなされた杉・ヒノキが今では大木となり、私たちに安らぎを与えてくれます。今回、各会場に植えられた若木が私たちの思いを後世に伝えてくれることを願ってやみません。
開催に際しご協力いただきました関係団体、及び箱根町民の皆様に感謝いたしております。
◇アジア太平洋経済協力(APEC)
11月13・14日APEC首脳会議が横浜で開催されました。横浜での開催は神奈川県民といたしましても名誉なことと受け止めております。しかし、開催直前に尖閣諸島における中国漁船衝突事件が発生し、各方面に様々な波紋が広がりました。相手国が、近年経済協力からはずすことの出来ない中国であったことと、我が国の弱腰外交を露見させてしまい、この国際会議が色あせてしまったことは拭い去れませんでした。そして、菅首相が開催前にTPP(環太平洋連携協定)参加を唐突に発表、これも大きな波紋となりました。
現在、我が国の食料自給率は40%。現政権の公約によるとこれを50%まで引き上げるとしていますが、農家所得補償だけでは達成困難であることは明白であり、食糧自給政策に手を打たずに自由化を進めるならば自給率は15%以下になると言われております。
お隣の韓国では農業対策に十分手当をしたうえでお隣の韓国では農業対策に十分手当をしたうえで各国との貿易自由化に踏み切っています。世界規模での食糧不足が近未来に訪れるのは確実です。ちなみに神奈川県の食料自給率は、カロリーベースで3%です。
◇羽田空港国際化◇
今年10月には羽田空港が国際化されました。羽田空港と至近距離にある神奈川県では外国人観光客の来訪の増加が期待されております。折しも今年4月には「神奈川県観光振興条例」が施行され「観光立県神奈川」に向け本格的な取り組みが始まったところです。
そこで、外国人観光客の誘致に向け、各国によって異なる外国人観光客のニーズを的確に把握し、きめ細やかな取り組みを積極的に行っていくよう当局に求めております。
◇大型公共事業◇
この4年間で真鶴港湾整備、湯河原海岸人工リーフ設置、箱根函嶺洞門・湯本駅前改良、根府川駅下交差点改良・米神地内越波(高波)対策、及び湯河原かなまじり沢・カヤの木沢砂防対策など、地域関連の大型事業がスタートしております。予算減により一部事業に遅滞の心配もありますが、強く推進してまいります。
平成22年度、県議会にて私たちが行った活動を報告いたします。
◇法人2税の超過課税◇
本県では、法人の県民税・事業税について超過課税を実施しております。
その使途は、これまで、災害時の医療拠点病院の施設整備など、地震防災対策の強化や、中小企業新製品開発の支援といった地域経済の活性化などに充てられてきましたが、このたび新たな重点活用項目として「道路」等の社会基盤整備が提案されました。横浜市・川崎市などの政令市からの意見も踏まえ、これによる効果が、税をご負担頂く企業の皆さんのご理解が得られ、広く県民にとってメリットを実感していただけるよう主張をしてまいります。
◇不適正経理問題◇
昨年12月に県の不適正経理問題が発覚し、その後の追加調査等に伴い新たな事実が判明し、追加の処分が行われるなど、問題が尾を引いていることは誠に残念な現実です。
問題発覚後、我々は即座に「事件の全容解明なくして有効な再発防止策の構築はもとより、県民の信頼回復はありえない」という考えのもと、特別委員会を設置いたしました。
そして、厳しい経済情勢の中で、納税者の思いを真摯に受け止め、手続の適正化と、職員の意識改革を徹底し、二度とこうした事態を繰り返すことのないよう、知事へ強く要請し、議会としてのチェック機能を更に強化いたします。
◇地産地消◇
県産農産物は、都市近郊農業の特徴である軟弱野菜(野菜のうち、収穫から急速にいたみはじめる野菜)の生産が多く、地産地消が求められております。地産地消を推進することは、「鮮度が高く安心な農産物」を手にしたいという県民ニーズに応えられる上、輸送距離の減少が環境負荷の軽減になるなどメリットも大きい。
今後は本県の優れた農林水産物を、県民だけでなく県外の巨大消費地にも広めていく取り組みが重要だと考えており、新たな販売チャンネルの開拓とともにブランド戦略全体の対策強化を進めていきます。
◇がん対策◇
がんは県民の死亡原因の第1位であり、県民の生命と健康に大きな脅威となっており、がん克服に向けた取り組みが緊急の課題です。「がん克服条例」に基づいて実効のある施策の推進を図り、「がんにならない・負けない神奈川」に向けてより一層努力いたします。
また、総合対策である「がんへの挑戦10カ年戦略」の取り組みの中で、がん診療連携拠点病院の整備やがん医療の中核病院である県立がんセンターの総合整備などの推進を強く求めております。
◇暴力団排除◇
県民生活の平穏を守るとともに、青少年の健全な育成を図る観点からも暴力団の台頭を許すことなく、反社会的勢力の排除に向け、県警察並びに関係団体、地域が一丸となって取り組むことが重要であることは言うまでもありません。そこで、幅広く暴力団排除の施策を盛り込んだ「暴力団排除条例」を制定することになりました。
これは、暴力団と取引する事業者を根絶やし、暴力団の資金源を絶つことを狙いとした内容となっております。また、暴力団への利益供与には罰則も設けます。
今後は、各市町村においても同様の条例制定が促進されるよう積極的に働きかけてまいります。
◇子どもの健全な “人づくり”◇
青少年が明るく希望を持って成長できる社会を築いていくには、「青少年問題は社会全体の問題である」という事を強く認識して取り組んでいく必要があると我々は考えています。
この度の「神奈川県青少年保護育成」条例の改正にあたり、そもそも、青少年をめぐる問題の根底には大人のマナーやモラルの低下といった問題を捉えるべきではないか、という主張をしてまいりました。
そして、青少年指導員をはじめ、地域で活動する関係団体等の協力が新たに位置付けられ、地域社会全体で青少年育成に取り組む内容となりました。
地域をあげての青少年育成に今後共ご協力お願いします。
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民主党政権が誕生し、二度目の年越しとなります。昨年の今頃は多くの国民が期待を持って新政権を見守っていました。しかし今、内政・外交に混迷を続け、重要政策の「地域主権改革」も遅々として進まず、大きな失望を招いております。
松沢知事も議案提案説明の中で、「マニフェストで掲げた政策を実現するための財政負担を地方自治体に押し付けている」「地方分権に逆行する政策ばかり目立っている」と辛らつに述べていました。
財源なき施策は、地方自治体負担増、国民への増税は避けられません。「子ども手当財源」につきましては、知事・県議会協調し、公約どおりの「全額国費負担」を強く求めているところです。
最後になりましたが、来年が皆様にとりましてより良い年でありますよう祈念申し上げます。
平成22年12月 記
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