---- 自分に自信のない生徒を減らす事が問題ではないか ----
 写真はふざけてやっているので、いわゆるいじめではない。
 筆者は「無競争集団主義」(「科学教育研究」仮説実験授業研究会機関誌
1/1978 「授業改革事典」第一法規1982)という、方法を常に採用してイジメをなくして きた。 この方法では通常イジメが自然消滅つまり生徒の勝手にやる市民運動で 消滅*するのだがイジメ消滅に至る中間段階や、ただ一例発生したイジメの参加 者層を見ると、イジメ発生の直接原因と対策が見えてくると思われる。
  *この指導法でのイジメ解決は被害者が有力リ−ダ−の結集する大グル−プ に入り一緒に遊ぶようになる事で達成されるのが普通。

担任クラスでイジメが新たに発生した唯一の例

 大荒れの3年をいきなり担任した時、1学期に過半数参加のイジメ がなくなったのにもかかわらず、2学期に 「真面目」(教師に捕まらないという意味)で成績低く、部活動や生徒会での活躍もない5人の遊 び仲間の仲間内で1人がいじめられるようになった。 その5人は、全員が学年はじめの教師会で問題児とみなされていなかった。  大荒れ学年だから問題にされた生徒は別に多数いた。

クラス内部のイジメが消滅しても、一部の旧加害者が他クラス生徒を いじめた例 

 1年担任のとき、 成績が低く、部活動や生徒会活動で活躍していない4人のグル−プが内部イジメ消滅後他クラスの集団いじめに参加することが1月ほど続く。
被害者はクラス内部の被害者と同じく小学校
3年の時から続く集団いじめ(クラス過半数参加)の被害者。バイキンと呼ぶ、よける、机を蹴倒す など。病欠が20日以上だったので、生徒一人一人の目標確定が不十分でありこのような生徒が残っていた。 
   その4人グル−プが「中心グル−プ」の傘下に入る(つまり一緒に 遊ぶ)といじめ連座事件消滅。4人の中に教師会で問題児として名の あがった生徒はいない。

 中心グル−プとは、「無競争集団主義」指導で成立する特殊な友達グ ル−プで、個性の強い者同士が個性を認め合って仲良くなり(あいつ は面白い奴だ)、次第に援け合う仲間となり、人数が多い(4-6割を占 める男女混合グル−プ)上にどの場面でもそのグル−プ内に能力の高い者が いるため、クラスを制圧してしまう。 彼らは勝手に(教師と無関係に)イジメや校内暴力を阻止し、非行生徒とつきあい非行グル−プから引き抜く。この集団のまわりでは一元的価値観、競争原理が弱められている。 

 無競争集団主義の指導つまり、全員の個性を伸ばし全員に誇りを持たせる指導が貫徹しない部分
でだけ、いじめが発生している。 自分に自信がもてず競争主義教育の敗者に なっている生徒が自分より弱い者をいじめて精神の安定を得ようとするのは 自然の成り行きではないのか。いじめの主要原因は「自分の能力や生き方に自信を持っていない」 「そのため心の安定が得られない」生徒の集団が存在する事であろう。 競争主義と対決する方法論のない指導ではそのような生徒が圧倒的多数であるから、 いじめが発生する事はごく普通だ。

訓話や討論より先に生活を変える指導