コース自由道草自由遠足の考え方と指導プログラム

どのような遠足にするか…学級委員会・クラス
 普通の山の遠足(行列、1コース班行動)とか、都市内の班行動遠足では教師がいくら弁舌を振るっても問題児が勝手な行動をし、問題が発生する事が少なくない。
 「自分たちで出かける時、家庭で出かけるときは規律などない。 なんで教師は規律をおしつけるのか。」
というのが、少なからぬ生徒の本音である。 規律に従わないほうが楽しいのだから、従わない生徒が出て当然であろう。 

 「規律を守るほうが楽しい」ような遠足なら、そのような問題は生じないし、問題児も規律を守る。 これをくりかえせば全生徒に規律を守る習慣がついてゆく。 以下の遠足2形式はそのような遠足例である。
  どちらも山中を5-6人の生徒だけで歩くのだから中1-2年の生徒にとっては、冒険であり、面白い。


オリエンテーリングが例だが、ウォークラリーの場合も全く同じプログラムになる。
1. 場所は団体乗車券の予約のため、高麗コマに決まっている。 西武池袋線・飯能の少し先、日本の中の韓国・北朝鮮のようなところで駅前には大きなチャンスン(朝鮮半島の神様の像)がある。高麗コマ神社、聖天院ショウデンイン(寺)などには日本国重要文化財があり、住民は1300年前に高句麗コウクリ国(今の北朝鮮)から来た人々の子孫で、高麗神社の神主さんは高句麗の王様の子孫である。 高麗神社は日本の有名政治家や韓国・朝鮮の有名人の参拝が多い。
2. できる遠足としては、
  あ. 高麗神社・聖天院・巾着田をまわる1コ−ス班行動遠足。
  い. 日和田山にのぼる1コース班行動遠足
  う. 日和田山・聖天院地区の本格的オリエンテーリング
 などが考えられる。 あ.とい.については説明無用だろう。
  本格的オリエンテーリング遠足とは、「ポイント(旗)を見つける競技だがポイントが班毎にちがうため、全部の班がバラバラになり、どの道を行くか、ど こで休むか、どこで食事をするかが皆自由、つまり班で決める」という遠足である。

 山中や村の中に字を書いた旗が多数あるが、6月8日に班長に渡される 地図には6つしか赤印がない。 つまり大多数の旗は他班のための旗で ある。自分たちの地図の赤印にあたる場所の旗はどれかを見つける。
 正解は10点だから、全部正解だと60点。クラス6班だから満点は360 点で、クラス対抗の競技である。 ホンモノのオリエンテ−リング競技と 違うのは、時間の競争をしない事である。 集合に遅れると減点となるが、 遅刻しなければ、神社の見学をしても、川原で遊んでいても良い。

 10時すぎに出発地点の河原につき各組の1班から3分づつ時間差をつけて出発。   聖天院のチェック(1100-1400まで)なしは失格0点。 帰り高麗駅での遅刻(高麗駅チェックは1400から、1430以後は遅刻)は5分ごとにマイナス5点。 ただし40分より遅れると失格0点。 旗を取る、隠すなどのイタズラも失格0点。
 トイレは聖天院と高麗神社、高麗駅にしかなく、山では同性見張りつきの自然トイレ。 コースは班で考えるが、トイレも考えの中に入れる。 旗6個みつけたら、あとは高麗神社見学、河原での遊び自由。
高麗駅1442電車。  飯能で向かいの電車(1分)・所沢で向かいの電車(3分)
 田無1530/33-柳沢1534。 柳沢で班毎点呼解散。

学級委員会での話し合い
-----オリエンテーリングが面白い事、迷子の危険がある事が確認されれば良い
「では君達はどれを希望しますか? 」
「みんなはどれを希望すると思いますか? 」
「それを安全にやる事ができるでしょうか? 」
----各クラスの有名問題児の名があがり、あいつがいるから危ないという議論になる。

「迷子の例としては他の学校で次のようにものがありました。
 男子と女子がどの道を行くか対立し、片方が迷子になった。
 班の中にいたイジメられっ子をおいて他の生徒が逃げ、その生徒が迷子。
 自由に歩けるのでのんびり歩いていたら全員地図の外に飛び出してしまい全員迷子。
 どの場合も迷子が見つかるまで、全員の生徒が駅の前で1時間か2時間待つ事になってしまいました。
 こういう事故を防ぐにはどうしたら良いですか?  」
---班が分解しないように皆で決議するというのが出る。

「でもどの道を行くか3対3になり意見がまとまらないときはどうしますか?」
「ヒマラヤのように大きな山に登るときや、日本でも冬の雪の中を登るときは道がはっきりせず、遭難の心配があります。 そのような場合どこを歩くかみなの意見がまとまらないときは、親切で考えのふかい人をリーダーに選び、その人の意見に従うことになっています。その方法が一番安全だとどこの国でも考えられています。」
「ですから、班長に親切で考えの深い人を選び、最後はその人に従うことにするのが良いです。」
--- たいてい「班長を改選して良いですか? 」というのが出るから、学級委員から担任にそう提案するように言う。最後に念を押す。
「でも班長が道を間違える事もあります。 その時誰かが文句を言ったらどうなると思いますか? 」
---- 間違えた事がわかっても文句をいわないという決議をするというのが出る
 授業はこれで終わり。 あとは学級委員の呼びかけ文をつくる作業。これらの安全対策を守って面白いほうの遠足をやろうという内容である。

 各クラスで3つの選択肢、オリエンテーリング説明文、学級委員の呼びかけ文を読み上げる。
 反対はゼロが普通である。 このクラスにそんな班長が5人(6人)もいないと 思うという反対意見がでたことはある。
  こうすると班長改選結果は担任の見立てとほとんど一致する優秀なメンバーの当選となる。 この遠足の生活指導上の効果はそれだけでも大きい。

  再度の学級委員会で遠足方法が決まる。
教師の話  最後の手段は地元の人にお願いして電話を借りることである。山を降りれば必ず地元の人の家がある。ただし今までこの場所で6回の遠足で電話をかけた班はない。2時までは聖天院、それから後は高麗駅に電話する。

遠足の係…実際に使われたプリント

班長…どこの道を行くか、どこで休むか、どこで弁当を食べるか…などについて皆の意見をまとめる役ですが、まとまらない時は班長の意見で全員動く事になりますから、大変重要な役です。 地図と磁石は班長に当日渡されます。
 班長は親切で考えの深い人を選んでください。 班長も間違えることが ありますが、立派な班長を選んで間違えたのなら仕方ないとあきらめる事 ができる。
時計係… 時計を絶対確実に持ってくるという役です。 遅刻せず、能率よく旗をみつけるのに時計が絶対に必要です。 
水係… 山の中の自然トイレの場合とか、ケガのとき(水でドロを流してから消毒)水係が水を忘れると大変です。 中くらいのペットボトルに入れる。
保健係… 消毒薬を持つ係です。 当日先生から薬の入ったフィルムケースが渡されます。
美化係… ビニール袋を用意し持つ係です。 誰が落としたかわからないゴミはたいてい出ます。 オマエが落としたのだからオマエがひろえ、と言い合っているとケンカになりゴミはそのままになって地元の人に迷惑がかかります。帰りの駅まで持ってくる。 ビニール袋を忘れない事。

忘れないためにする事
1. 前の日に必要なもの(時計、ビニール、水の入ったベットボトル)はリュックに入れておく事。
2. 特別忘れっぽい人が班にいたら、その人は用意したあと班長に「・・を用意してリュックに入れた」という電話を夜7時前にかけるように班で決めます。 電話がかかってこなかったら、班長がその人に電話する。

教師の係
   普通の遠足と異なるのは
旗つけ(オリエンテーリング)  地図に強い教師。 僕は車運転ができないので始発電車でいってつけているが、バイクで行って山の中だけ歩く人もいた。また武蔵嵐山では駅前に貸し自転車があるので、現在の実践では博物館までの全員歩きと集合点呼の間に自転車でまわってつけているそうである。
旗撤去(オリエンテーリング)  誰でも可能だが特別地図に弱い女教師は例外。
地図配布(ウォークラリー、オリエンテーリング) 当日出発地点で配布。誰でも可能。
チェックポイントの聖天院挨拶 学年主任と校長(教頭) トイレ使用のため、賽銭をおさめる(最近の高麗実践.3000円)
地図授業 1時間。 山屋または社会科教師。 知識として知っている社会科教師の話より地図から実際の景観を思い浮かべる山屋の話のほうが生徒はよくわかり、正解率が向上する。 社会科教師の場合は問題をやさしくしたほうが良い。
旗製作(オリエンテーリング)  30cm四方程度の布の上右、上左にひもをつけて枝に吊り下げるようにする。そこにA-Zの字を書く。 最後の実践では家庭科教師の指導でクラブの学年生徒がつくったから、大変カラフル・装飾的な旗になった。

  高麗オリエンテーリング学年教師会プリント
 電車は6月8日の8時29分 柳沢発。 47分所沢着乗換え59分発。 高麗 につくのは9時33分。
 前日までの用意
   旗  吉岡先生が修理ずみ。
   普通の実地踏査  増山・松田 半日
   新道・廃道点検  済み 増山
   地図作成   当日の地図生徒用問題、教師用(オリエンテーリングでは全部のポイントと目印が記入してあり、これがあれば絶対迷わない…ウォークラリーではわかりやすい目印となる建物や樹木などを記入…前日にみなさんに配布)。増山
   方位磁石   増山 理科室にあり
   地図指導   増山
   渡来人文化指導  羽沢
   委員会指導・しおり作成  別紙
   フィルムケ−スの外用薬  増山と小美濃
   ****回数券は当日高麗駅で可能という話。

 持って行くもの。 
  旗 増山  問題地図と磁石 松田  救急薬品 羽沢(聖天院に置く関係 でスミマセン)帰りは絹川(同じく…)
 集合 8時10分整列完了。 四十雀公園 出欠確認だけ。 柳沢駅から2分。    隊列指導 松田。 団体乗車券 絹川。増山は旗つけのため現地にいます。
 高麗 駅前広場で集会
   校長(教頭)のあいさつ。 生徒学年委員長の決意表明。 学年主任の話   が最後。
   トイレ。9:45-50分あたりで出発。 10時に出発地点の河原まで先頭松田。
    松田クラスが先頭で、あとACDの順。 また学年主任と校長(教頭)    は聖天院に直行するので、A組には副担任がつく。
 聖天院あいさつ   校長(教頭)と学年主任。
  お賽銭3000円をつつみ、トイレ借用、非常電話について礼(話は増山と松田がしておく)。  
 河原で---
   各組の1班から3分づつ時間差をつけて出発。 出発指示と問題地図・磁石の配布は増山の予定だが、間に合わない場合は吉岡。 生徒を連れて河原   に到着したとき、増山がいなければ松田先生から吉岡先生に渡して下さい。   6班は10時15分の出発になる。
   それまで河原で遊んでいても良い事にする。
 旗を見つけて記入した字が正しいと10点。 全部合うと60点。だからクラス の満点は360点。 聖天院のチェック(1100-1410まで)なしは失格0点。 帰り高麗駅での遅刻(高麗駅チェックは1400から、1445以後は遅刻)は5分ごとにマイナス5点。
 トイレは聖天院と高麗神社、高麗駅にしかなく、山では同性見張りつきの自然トイレ。 旗6個みつけたら、あとは高麗神社見学、河原での遊び自由。

聖天院チェック
   1130まで 羽沢 、1210まで伊藤 、1250まで 荒木 、1330まで 吉   岡 、 1400まで 絹川
旗撤去   聖天院のまわり 絹川  日和田山・清流地区 増山 
高麗駅チェックと回数券購入
 1400に羽沢・伊藤。 1430まで。 生徒追い立ては絹川と増山になるので、他の先生は1420頃を目標として高麗駅にお帰りください。 絹川先生はそれまでに伊藤先生に回数券用の現金を渡して下さい。 チェックのとき班長に回数券を渡す。
 高麗駅から飯能ゆき1442と1530ですから、生徒には1442電車を指示。
  飯能で向かいの電車(1分)・所沢で向かいの電車(3分)田無1530/33-柳沢1534。
 担任の先生は一緒に帰って、柳沢で班毎点呼解散。
 事故はいままで経験なしですが、事故係は増山・絹川が帰ってくるまで吉岡(遅れた班は時刻を記録。 5分毎マイナス5点。 1442で失格0点。)
最後は増山(最後に駅につく)。 駅に電話をかけさせる事になる。 絹川先生は多分1442までに駅につきます。 増山は昔と違い山を走る能力がないので、遅れる可能性が大。 事故処理内容は学校に電話しますから、万一の事故の場合は主任と担任は学校で待機して下さい。 次の電車が1530です。柳沢1626.

5月30日に 1年学級委員会  遠足形態の提案…学級委員連署の決意表明文プリント作成。
5月31日 学活         同上 6月 1日金曜  学級委員会    決定 その他の討論。 
     服装は押しつけ…増山。 飲み物はその場で生徒との討論の上、学年主任が決定。 服装討論は時間がないという理由で今回棚上げという。
6月 4日月曜  学級で班の係り決め。
6月 7日木曜  前日指導 
      学年主任の話。 学年委員長の決意表明。 増山の話。
  帰ってから
作文のための学活…いつにするか?
壁新聞をつくるか?
後記
 服装については「下がトレパンか合成繊維ズボン、スラックス、上は自由だが毒キノコ式だけは自粛」という風に決めた年度も多い。 ただしその討論は大変(理屈では納得してもイヤという感情対策が大変)であり、最後はいつも人気教師の顔を立てるような形で決着する。 だから指導書を作る事ができない。 ジーパン禁止とするのだが、現地に行ってはじめて納得できたという生徒多数。 現地の山道の一部は実地踏査のときに筆者が刈り払いをし道の入り口にテープをつけている。 刈り払いをしテープをつけなければ生徒も一般教師も道を認識できないという坂道の悪さに驚き、雨がふったらジーパンは歩行困難・転倒怪我につながるという事がわかる。 

地図の解説
 埼玉県高麗神社、聖天院付近の地図(西武池袋線)と埼玉県武蔵嵐山(東武東上線)付近のオリエンテーリング用地図を入れた。  B4にしたとき、8000分の1である。
 トが○でかこんであるのはトイレ。 水場は水に○。
 舗装道路は二本線、車の走れる道は塗りつぶし、人間しか通れない道は点線で示した。 山のベテランなら通行できるが普通人には決して道に見えないと思われる廃道、民家に入る道は省略。
 高麗のほうは先生用地図と、生徒に与える地図の1例を加えた。3年前の訂正図であるから現在でも変化したところは少なく使用に耐えるはずである。
 先生用とある地図は、教師が迷子にならぬよう全部の旗の位置を書いた地図である。 Aという旗がぶらさがっていれば、地図のAにいる事がわかる。
 A4B5C6D1という地図は、A組4班B組5班C組6班D組1班の班長に当日河原(地図中央下方)で渡した地図である。 赤印のところにある旗に何という字が書いてあるかを記録し帰りの集合のとき、記録カードを集める。 各クラスとも1班から3分時間差をつけて出発する上、正解数を争うクラス対抗競技であるから相談する可能性は絶無に近く、共通で問題ない。 図の左側の旗は難しい問題で、右側はやさしく、どの班の問題も難しさに大差はない。 この程度で正解率は6割強程度、全問正解はクラスで1班程度になる。記録カードの一例。
   全員を出発地点の河原につれてゆき、3分おきに1班から出発させる。チェックポイントは聖天院という大寺院の入り口。
 A組 4班
班長 前友
時計係 藤田
保健係 中沢
水係男子 野元
水係女子 林原
美化係 中島 長野
聖天院チェック(2時まで)
 12時15分 先生署名 松田
高麗駅集合(2時30分に遅れると減点、2時42分になると失格0点)
 14時15分
1は 「A」  2は  「D」
3は 「W」  4は 「K」
5は  「N」  6は  「T」
聖天院(2時まで)89-3425
高麗駅(2時から)82-1273

 旗をみつけ、チェックポイントで先生のサインをもらう。 高麗の駅の集合時刻に間に合えば道草自由で、高麗神社(韓国・朝鮮系の人々がよく参拝する大神社)見学、日和田山に登る、河原で遊ぶなどは自由であるから、実際にこれらの場所の道草があった。最後の実践では河原で遊びすぎて帰りの集合時間に遅刻が1班。
 出発地点は、河原遊びが出来て、出発すると東側に行く生徒と西側に行く生徒が分かれるという理由。 集合地点はトイレがあるから。

 武蔵嵐山のほうは、全員を菅谷館あとの博物館に連れて行き、出発と集合を同じにする。 見学のほか広場でボール遊びができ、トイレがある。また北西のほうに出る班と南のほうに出る班が分かれて生徒がバラバラになる長所がある。僕の実践ではチェックポイントが大平山右側の神社であったがその神社で教師をみつけにくいという欠点があり、最近の実践では図中央下の橋の西側にできたキャンプ場(図にかきこみをしていない)をチェックポイントにしているそうである。 地図は10年前であるが、5年前キャンプ場ができただけでほとんど変わっていないから、それを書き込んだものが2年前にも使用されている。

 ウォークラリーの場合は、高麗では地図の下側に顔を出している巾着田を加え、 高麗駅から出発してチェックポイントを高麗神社、日和田山右で問題のAがある鳥居(これの発見が難しいから面白い)、巾着田とすれば良い。
 武蔵嵐山では、やはり博物館から出発し同所に集合とし、地図の下側に入っていないがすぐ南の鎌形八幡神社、キャンプ場、大平山東(右)側の寺(発見がいくらか難しい)をチェックポイントとすればよかろう。
 地図は実際に使う図のマスター版として使えるものである。 B4にしたとき1/8000.

 旗はA−Zの26で良い。 6班だと旗は6×6で36必要なようだが、出発地点から遠い旗は班がバラバラになっているから共通になっていても差し支えない。 また、A組1班とB組2班、C組3班、D組4班が同じ問題であり…A組6班とB組1班、C組2班、D組3班が全く同じ問題である。  河原まで行列でつれてゆき、3分づつ時間差をつけて各クラス1班から出発させる。 教師には全部の旗を記したアンチョコ地図を配布する。

 この方法の欠点は、旗をつける教師が先行して旗をつけなければならない事だが、それ以上の問題点は「信頼できる地図が入手困難」なことである。 最近実践の埼玉県日高町高麗地区でいうと2万5千図はオリエンテーリング範囲内だけで40箇所程度の誤りがある。 またオリエンテーリング協会の出した地図もあるが古いために現状と異なる箇所が25ほどある。
 地図の訂正のできる教師がいるか、その地図をもらってこないとこの遠足はできない。 初回はその教師が旗付け係となるが、2回目からは他教師も旗つけができる。 旗の撤去なら地図に多少慣れている程度で可能である。  場所の選定は大きな川や道路、山などで囲まれた1.5から2キロ四方の地域とする。

 埼玉県高麗の地図のほか現在でもこの形式のオリエンテーリングが行われている埼玉県武蔵嵐山の地図を示す。 畠山重忠居館あとの資料館から出発して同じ資料館がゴールである。 大平山方面に向かう道は2つあるから、近くのポイントがどちらにあるかによって班がちょうど半分づつにわかれるようにする。地図作成は両方とも筆者ですから、無断で印刷して差し支えありません。 酒井氏作成の地図のある場所もありますが…。

ウォークラリー式遠足

 京都や鎌倉見学のような見学を山中でやるというものである。 地図は市販地図程度のいい加減なものでも大きな誤りがなければ間に合う。 生徒の不注意による道間違いに比べて、地図の間違いによる誤りが少なければ問題ない。
 やはり道は自由、弁当の場所、休憩場所と時間、道草すべて自由である。  選択肢の3として ウォークラリーを設定する。 学級委員会を2回やることも生徒との話し合いイコール授業も全く同一形式である。 だから前記と異なる部分だけ記す。

 「ウォークラリー遠足とは次のような遠足です。 高麗の地図にある聖天院、日和田山東の山中にある鳥居(図版の矢印の地点)、巾着田の印の地点をまわります。 まわる時間は指定されていて、それより早く来てもいけないし、遅刻してもいけません。 各クラス1班から2分づつ時間差をつけて出発する。 A1-B1-C1-D1-A2-B2-…という順になる。 コ−スは自由で時間内の道草は自由ですから、河原で遊ぶ時間や高麗神社とその北の重要文化財の建物見学の時間、どの河原で遊ぶか…などは班で考えて下さい。 出発地点は河原ですから、遅い班はそこで遊ぶことになります。コース自由ですから、どこで弁当を食べるか、休憩をどこにするかも自由です。」
 武蔵嵐山の場合なら、大平山頂上、キャンプ場とこの地図の少し南の鎌形八幡神社、を指定すれば良い。 南のほうは2万5千図を(それぞれ巾着田、鎌形八幡まで)少し張り足す。

酒井一幸氏の中学校行事改革 
林間学園・登山 
最初のコース自由道草自由遠足当時の所沢地図 
最初の多数コース希望制・臨時班による登山の地図
武蔵嵐山オリエンテーリング詳細地図 
高麗オリエンテーリング詳細地図