増山明夫

 

1. 理科
 多数あり、仮説社で出版しているものと合わせれば中学理科授業は9割近くが仮説実験授業になり、しかも受験対策で困る事はほとんどありません。

 ただしこれらを使えば、すぐ授業の9割が楽しくてよくわかる授業になるというものではありません。 大多数の公立学校ではAという印をつけた一部授業書は楽しくてわかる授業だがC印の授業書は苦しい授業になる可能性がかなり高いでしょう。 仮説実験授業は生徒弾圧の厳しい教師でなければ誰でもできるはずなのに、なぜでしょうか。 
 指導要領に妥協し、その範囲をカバーするような授業書を作ると標準的な授業書にない欠陥が必然として生ずるのです。
 
 理科授業論に記したように、仮説実験授業は指導要領準拠授業と異なり生徒大多数が理論的に実験結果を予想する必要があり、同じ題材で授業をすればどうしても指導要領にない理論を教える時間が必要になり授業時間数が増大します(科教協の指導的メンバーだった玉田、中原、松井氏らの授業でも同様の問題があると考えられる)。 ですから指導要領範囲の大部分をカバーするようにすれば授業時間数が不足になります。普通の指導要領準拠授業では理科授業論に記したようにかなりの時間浪費がありますが、それをカットしても不足となりやすい。

 ですから指導要領準拠授業の9割を追放しようとすれば、次のような条件が必要になると考えられます。
1. 面白さ、わかりやすさをある程度犠牲にして時間短縮
2. 酒井式の行事や無競争集団主義をできるだけ採用し、生徒の積極性と理論的にものを考える習慣を育成。
 時間短縮のためのブロークン授業でも指導要領準拠授業よりマシなら、許容できると考えます。 ですから以下の授業書はすべて多少の無理を承知で時間短縮をした部分があると考えて下さい。 

 酒井式行事や無競争集団主義の学級学年生活指導は「楽しい事がわかれば生徒は教師常識から見れば困難な事でも積極的にやってしまう」という原理で一貫しています。 面白さ確保のため積極的に困難に立ち向かう生徒習慣ができると、難しい理論をかなり多数押し込む授業書でも苦しい授業にならず、テストをしても高い平均点が確保できます。
  **これらの指導では、「現在実現できる一番楽しい方法は何か、視点を極力しぼった方法で ほぼ全員の生徒にわかるようにすると、その実現のため生徒は勝手に努力」「全員に異なる目標を与えれば自分の個性に自信を持つ生徒が多数出現」という指導が行われ、1年からの全面的採用では非行も登校拒否も発生せず、万事に積極的な  生徒集団ができます。 いい加減な教科書をそのまま教えると納得できないという発言が出てその発言が大衆的に支持される。そのような生徒集団対象に授業書ができています。
 個性を認め合う集団から援け合う集団への自然的移行」「援け合いの拡大でいじめ自然消滅」 「その援けあう集団と問題児集団との友達獲得競争により問題児の自然消滅」という一連の必然として生ずる心理現象に頼り、道徳説教とか教師が上からさせる討論を「建前と本音の矛盾を増大させ面従腹背の養成をするニセ指導」として排除。

 そういうわけなので、授業書を次の基準でランクわけをします。
1. 理論水準が高いための難しさ・無理に近い時間短縮という問題から見た一般公立学校生徒に対する適性。 
 A は一般学校ですぐ採用できると考えられるもの。Cは採用困難なもので、B は中間的なものです。
2. 授業書としての完成度、欠点の少なさ。 これもAが上で、Cは明らかな欠点があり、改良が必要というレベルのものとします。Cの場合はどこが問題なのか主要な難点を記します。個人的能力の問題から生ずるものもありますが、指導要領の欠陥(非論理的構造)に由来する場合が多い。

以下クリックすれば、出てきます。 

1.虚像と実像(幾何光学入門)
2.糸電話とギター(音を直観的に)
3.白血球と細菌・ウィルスとの戦いの話
4.川の堆積作用と土石流の話
5.川の浄化作用の話
6.内臓の話
7.水と油(構造式入門)
8.脊椎動物の分類と進化
9.地震と火山の話
10.静電気からオームの法則まで
11.溶液の濃さ
12.コペルニクス1部-4部
13.遺伝と癌の話
14.化学変化の雑炊授業
15.イオンの世界
16.高等植物の進化と分類
17.性の世界(性教育読本)
18.気象の話
19.ヴェクトルの話
20.沸点上昇
21.熱量
22.モーターと発電機
23.圧力
24.吸盤
他教科授業
指導要領準拠授業にある無駄時間短縮法
「新唯物論と古典唯物論」
「理科授業論」


                     
               

実際の授業で使った授業書・お話は、あと「浮力と吸盤」という「浮力」に付け加える大変短いものと、「圧力の話」という内容にあまり自信のもてないものだけになりました。
その他の教科
 補教に出たときは、生徒が退屈する自習でなく、その教科の特別授業をするのが普通だったので、かなり多数あります。 指導要領・受験を無視できるので、それぞれの教科の範囲で学問の面白さを扱う内容ばかりにする事が容易です。 ただし理科と同じ理由でインターネット用文書に置換するのに時間がかかります。